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ワークマン「8800円」ランドセルに広がる波紋。“見栄の張り合い”で市場は年々拡大…ラン活にご執心な向きからは「業を背負わせるな」と眉をひそめる声も

作業服大手のワークマンが、今年6月にブランド初となるランドセルを発売し、同市場に参入することがわかった。

発売されるのは「ZSG03 スチューデントデイパック」なる商品。一般的な本革製のランドセルとは異なり、ナイロンを用いることで軽量かつ税込8,800円という低価格を実現。さらに、同社がこれまで職人向けに生産してきたバッグのノウハウも活用したことでの、機能性の高さもウリだという。

同商品は、公式オンラインストアで注文を受け付け、店舗受け取りという販売形式で、カラーは現状ブラックのみだという。

異業種の参入が相次いでいるランドセル市場

日本かばん協会に属する業界団体であるランドセル工業会が公表した「ランドセル購入に関する調査 2023年」によると、2023年入学の児童が背負うランドセルの平均購入額は5万8,524円で、前年の5万6,425円と比べて2,000円以上もアップしているとのこと。

少子化が叫ばれて久しい昨今だが、それにもかかわらずランドセル市場に関しては、拡大の一途であるといい、2023年の市場規模は推計563億円と、これは10年前と比べて約3割ほど多い数字だという。

そのような状況を受けてか、最近では子ども服ブランドの「ファミリア」やスポーツブランドの「ミズノ」、さらにアウトドアメーカーの「モンベル」などが、こぞってランドセル市場に参入し、各社がそれぞれに培ってきたノウハウを生かした新機軸なランドセルを世に出しているといった状況だ。

そんななか、今回新たにランドセル市場への参入を表明したワークマンだが、先日には、新たに「ワークマンキッズ」なる子ども服のブランドで約30品目を販売するなど、子ども服の販売に本格参入すると発表したばかり。

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そういった状況からすると、同社のランドセル市場への参入はある意味で自然な流れといったところなのだが、やはり何よりも注目を集めているのが、先述のランドセルの平均購入額と比べても相当安価な“税込8,800円”という価格のよう。

SNS上からは「ヘタって買い替えても十分安い」「安い選択肢があるのは良いこと」などと、その低価格ぶりを称賛する声が多くあがっているようだ。

市場規模拡大の原動力は“見栄の張り合い”か?

しかしながらランドセルといえば、一度買ったものを基本的には小学生の6年間という長期間使うものとあって、実際に用いる子ども以上にその保護者などのほうが、購入にあたって相当気合が入るといったケースが多いよう。

そのため近年では、例えばカタログを取り寄せたり展示会に赴く、さらにランドセルのメーカー・ブランドを決めれば、その試着にも余念がないといった、いわゆる“ラン活”なる言葉も、最近ではすっかり定着化しているようである。

ただこのように、ランドセル選びに大人である保護者が大いに力を入れる状況が行き過ぎることで、なかには自分の子どものランドセルの価格やブランドを他の子どもと競い合い、時にはそれでマウントを取ってくる保護者も少なからず存在するとのことで、そのことへの不満を訴える声もネット上などで大いに溢れているところ。

平均購入額が年々アップしているという、この不況の世の中にあって異常ともいえるランドセル市場の活況ぶりも、ひょっとすると子を想う親心というよりも、そういった状況が生んだ“見栄”の心情が大きいのではないか……とも邪推しかねないほどの状況だというのだ。

このように独特な価値観が形成され、ある意味で一筋縄ではいかないといった状況なのが昨今のランドセル市場。そこにワークマンが軽量さ機能性の高さにくわえ“低価格”をウリにした製品を投入したことで、上記のようなラン活にご執心な層からは「かわいそう」「子供から要らぬ怨み買いたくなきゃ1年生は辞めた方がいいクオリティ」「ランドセルはリーズナブルであるべきという主張は御立派だが子供に業を背負わせちゃいかん」などといったもあがっているのだという。

ランドセルにはとにかく見栄を張るべき……といった意識に凝り固まった向きからすれば、今回のワークマンのランドセルはとにかく異質な存在といったところで、それゆえの“暴言”といったところのようだが、逆にそういった固陋な考えが根強いランドセル市場で、ワークマンの製品がどれほどの支持を集めるのかにも、今後大いに注目が集まるところだ。

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