黒田日銀総裁の苦悩と怒り
黒田日銀とて、29日に「追加の金融緩和策」をまったく行わないわけにはいきませんでした(日本国内の内需が冷え込み始め、物価が下がり始めている!)。
さりとて、安倍自民党政権がおよそ13兆円規模(?)の財政刺激策を用意しているときに、黒田日銀が同時に「10兆円規模の量的金融緩和」を行えば、即座に「ヘリコプターマネー疑惑」が巻き起こってしまいます。黒田日銀は、これだけは避けたかったようです。
「マイナス金利の深堀」は銀行業界に評判がよろしくない。これも避けなければならない。
「追加の金融緩和策」は行わなければならない、しかも「ヘリマネ疑惑がゼロ」の緩和策しか打ちたくない。すると「日本株ETFの買い支え」しか、もはや手段は残っていませんでした。
追い詰められた黒田日銀が苦肉の策として打ち出した緩和策こそが、「日本株ETFの6兆円買い支え」策だったようなのです。
この日の黒田日銀総裁は記者会見でも、始終、機嫌がとてもとても悪かったです。激しい怒りを全身全霊にため込んでいる様子でした。
「誰が日銀だけの責任でヘリマネなんか発動するものか!」
「ヘリマネを発動したいなら、政治家たちが国会審議を通じて決めるのが筋だろうが!」
「ヘリマネへの決断は日銀の責務ではない!それは政治が背負うものだ!」
と怒り心頭の様子でした。
ホームランは、かっ飛ばさない
この日の黒田日銀は、次回9月会合での「追加の金融緩和策」に含みを持たせました。
黒田日銀は、7月29日に「ホームラン」(ヘリコプターマネー疑惑)をかっ飛ばすことを避けて、うまくファウル(日本株ETF買い)でお茶を濁して、時間稼ぎをしました。
そして黒田日銀は、次回9月の日銀金融政策決定会合でも、そのまた次回10月の日銀金融政策決定会合でも、ずーっと「ファウル」を打ち続けて時間稼ぎを続けることでしょう。
安倍自民党政権側が「ヘリコプターマネーは国会(=政治)の責任の下で発動する」と決断するまで、黒田日銀は「ファウル」を打ち続けるのではないでしょうか?