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安倍マリオ「東京オリンピックへの危険なBダッシュ」3つの落とし穴=斎藤満

トランプでもヒラリーでも「超円高」は不可避

米国は経済戦略においても、日本は円安で米国企業の市場を奪っているとして為替操作を批判しているだけに、少なくとも当初は円高が大きく進む可能性があります。

しかも、米国が内向きになり、保護貿易に傾くと、日本はダブルで貿易による利益を圧迫されることになります。

また、米国が中東をロシアの支配に任せて手を引くと、中東原油に多くを依存する日本のエネルギー事情が不安定になります。

トランプの米国が保護主義に走れば、欧州や中国なども報復的な保護主義に出て、世界貿易が大きく縮小し、世界経済に大きなダメージを与え、日本の輸出産業は大きく市場を失う懸念が高まります。

安倍政権はその分まで国内需要の拡大で穴埋めを余儀なくされますが、これは当然財政を圧迫し、財政均衡を困難にします。

トランプ大統領の米国は内向きながら、中国とは敵対色を強め、逆にロシアやイスラエルとは融和の姿勢を見せるはずで、対米従属の日本の外交がこのバランス変化に対応できるかどうか。

つまり、かたや米国、かたやロシア・イラン・トルコのグループと、バランスよく外交戦略を進める必要があり、かつ米国が敵視する中国と対峙しなければなりません。

この「トランプ大統領」の米国が安倍政権にとっての最大の壁になりますが、ネオコン支援のヒラリー・クリントン氏が勝っても、これまで通りとはいきません。

現在の米国政治に対する国民の強い批判を受け、ある程度「トランプ現象」を取り入れた米国第一主義の色合いを出してくる可能性があるからです。

具体的には、為替では円高に傾斜し、自衛隊が米軍支援などで利用され、安保体制で米国の支配が強まります。

ネオコンは中国、ロシアに強硬姿勢をとり、両国との関係が日本としても厳しくなります。軍事予算の拡大が進み、財政、金融面からの経済対策強化が求められ、日本の財政再建はとん挫します。

今後4年間の米国は、日本にとって経済的にも外交面でも「コスト高」の難物となるでしょう。

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