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我が道を往けない属国・日本の病理~日銀「総括検証」の限界とは=斎藤満

9月会合に「日銀のまじめさ、正直さ加減」があらわれる

しかし結果はご存知の通りです。結局、1年半後に「バズーカ追加緩和」を行い、それでもだめでマイナス金利、ETFの増額と、批判していた「逐次投入」となりました。

物価が上がらないのは賃金が低いせいで、賃金が低いのは、原油安で物価が上がらないためと、すべて原油安のせいにしています。原油価格が100ドルの時も賃金は上がらなかったのですが。

その原油価格も一時の30ドル割れから50ドルまで上がってきました。それでも賃金も物価も上がらないでしょう。企業の生産性が低下しているので、賃上げには限界があります。

結局、まじめに「総括検証」すれば、金融政策の限界に突き当たります。しかしそれを認めれば日銀は存続意義を問われ、国際的にも国内でも立場を失うので、容易には認めないでしょう。

来月、日銀がどんな検証結果を報告するのか、そこから日銀のまじめさ、正直さ加減が読み取れそうです。


※本記事は、『マンさんの経済あらかると』2016年8月24日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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マンさんの経済あらかると』(2016年8月24日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による

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金融・為替市場で40年近いエコノミスト経歴を持つ著者が、日々経済問題と取り組んでいる方々のために、ホットな話題を「あらかると」の形でとりあげます。新聞やTVが取り上げない裏話にもご期待ください。

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