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日本株式市場を震撼させる「世界のブラックスワン」5つのリスク=岩崎博充

1. 日銀金融政策決定会合

9月20日-21日に実施される日銀の金融政策決定会合では、これまでの金融緩和策の「総括的な検証」を行うとしている。同時に米FRBがFOMCで「追加利上げ」を発表する可能性が高い。

ここで一気に円安が進んで株式市場は上がる、と考える市場関係者が多いものの、この上昇相場を狙って「日本株からの撤退を目論む外国人投資家」が数多く存在する可能性も高い。いったん上昇し、その後暴落するパターンがあっても不思議ではない。

2. 欧州危機

10月危機、オクトーバーショックなどとも言われているが、デリバティブ投資の失敗で莫大な損失を抱える「ドイツ銀行」の危機が表面化している。この危機を材料としてヘッジファンドに解約請求が殺到。破綻するヘッジファンドが現れる可能性がある。リーマンショックもヘッジファンドの破綻から始まっている。

ちなみに、イタリア最古の銀行「モンテ・ディ・パスキ・シエナ」の不良債権処理の遅れがイタリア発の金融危機を誘発するのではないか、というリスクも指摘されている。

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3. トランプ大統領誕生

11月には米国の次期大統領が決定するが、10月にはその大勢が見えてくる。ここでトランプ大統領誕生の可能性が見えてくると、世界の投資家は米国から逃避する道を選び、円を買う可能性が出て来る。急激な円高で、日本の株式市場は再び売られる。

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4. 日銀のテーパリング

日銀の量的緩和政策は、今や限界に近づきつつある。黒田総裁は金融緩和の余地ははまだ十分にあるとジャクソンホールで発言したが、国債の買い入れに限界が見えたとき、日銀の「テーパリング(金融緩和政策の縮小)」が意識されるようになる。その認識が現実になった時、日本株は売られる。

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5. 日本国債の金利急騰

マイナス金利の深堀りが実施されればされるほど、その反動は大きい。債券価格は過去20年以上も高止まりしてきたが、ここに来てさらにマイナス金利が債券価格を押し上げることになる。株価同様、意図的に値を上げたものはいずれまた元に戻る。

日本の株式市場は、これらのリスクに今後長い年月をかけて怯え続ける必要がある。こんな株式市場に、国内外の投資家を呼び込むのはどう考えても至難の業だ。


※本記事は、日銀のQQE+マイナス金利政策に反対を唱える立場から日本国民がどうすれば資産を防衛できるのか、そのヒントになる情報を発信するメルマガ『岩崎博充の「財政破綻時代の資産防衛法」』からの抜粋です。ぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。月初の購読は得にお得です!

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岩崎博充の「財政破綻時代の資産防衛法」』(2016年8月31日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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財政赤字1054兆円の日本に暮らす国民にとって、自分の資産をどう守ればいいのか。コラムや単行本で書けなかった幅広い分野(メディア、業界、政府対応など)に視野に広げ、ニュースや統計の分析などを通して、役立つ情報を提供する。

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