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日本国債を買いまくる日銀の「債務超過」は本当に起こらないのか?=大前研一

2016年出生数、統計開始以来初の100万人割れ

厚生労働省が2日に発表した人口動態統計によりますと、2016年に生まれた子どもの数は、97万6979人で、1899年に統計を取り始めてから初めて100万人を下回りました。また1人の女性が生涯に産む子どもの数も、1.44人と、前年比0.01ポイント減少しており、出産適齢期の女性の減少が少子化に拍車をかけています。

これはまさに日本にとって最も深刻な問題です。出生数が100万人を下回ったわけですが、これは傾向的な問題です。丙午の時にがくんと落ちた出生数が、その後また伸び、それ以降続けて減少してきています。そして死亡数の方が現在圧倒的に多くなってきています。これは大変由々しき事態で、かつ構造的な問題であると言えます。そしてこれは、今のままでは反転のしようがありません

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これを反転させることを考えると、スウェーデンやフランスのように、戸籍という概念をなくしてしまうとか、正式に結婚をしていなくても生まれた人をそのまま正式に子どもとして認めるといった、当たり前のことですが、そうしたことをやらないといけないのです。

私はいろいろなところでそのことをまとめて書いてきていますが、ここはもう、小手先のやり方ではだめだと思います。基本的には子どもを1人、2人そして3人まで産めば、フランスのように、育つ過程で2000万円くらいのプラスになるというほどのインセンティブをつけないとダメだろうと思います。

日本の婚姻件数の推移を見ても、減ってきているのがわかります。やはり、自然婚ということをやらないとだめで、婚姻という制度に期待をするとなるとやはり難しいのです。つまり、戸籍が非常に大きな問題になっているということだと思います。

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また、母親の年齢別出生率の推移を見ると、最も多いのが30から34歳です。その次が25から29歳、そしてその次が、なんと35から39歳です。このように、昔に比べると大きな変化が現れています。グラフからわかるように、昔は圧倒的に70万人が20代後半で出産をしていたのです。それが大きく変化して30から34歳が最も多い出産年齢になっているのです。

このように、日本の場合には高齢出産ということもあり、2人、3人といかないという問題もあるので、もう少し早めから自然婚を認めて、自然婚の中で子どもを作っても不利にならないようにするという、フランス型の制度のあり方を研究しないといけないと思います。

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