効率化、無駄をなくした結果は…
そのグローバル化の波を推し進めた一つの勢力は、アメリカ西海岸を中心とするIT関連企業です。そこでは優秀と認められれば、国籍、人種、男女の隔てなく処遇するまさに開かれた社会です。
彼らの主張は、世の中のムダを省き効率化を進めることが世界のためになる、というものです。彼らはこれを「破壊的イノベーション」と呼び、この過程で生じる敗者の面倒は政府が見るのが当然だ、という考え方です。
しかしその「破壊的イノベーション」の進行過程で、街の本屋や個人商店は潰れ、残った大規模商店でもネット経由の購買者が増え、人は集まらなくなり売上は落ちました。
インターネットの発達は、人種、国家、言葉の壁を破り、世界は平等に向かって進むと信じられていましたが、今のところ結果はむしろ貧富の差の拡大となって現れています。今人々が声を上げているのはこれらの企業は社会的矛盾の改善や雇用の増加に貢献していない、ということです。
時代を大きく変化させたアマゾン、グーグル、マイクロソフト等はこれから暫くの間は社会的に支持されない時代に入ってくると思われます。
社会的な混乱が数年続く?
相場の格言で「申酉騒ぐ」というのがあります。今年は申年、来年は酉年ですが、この2年はマーケットが荒れると同時に新たな時代への序章が始まることが多い年です。
まず欧州ではEU離脱への流れは今年、来年と燻り続けます。
米国では、やはり国内の分裂でしょう。日本のメディアでは報道されていませんが、今回の大統領選挙では「史上最低の候補者同士の争い」として有権者の約半数は投票しなかったそうです。得票数からはクリントン氏とトランプ氏はほぼ互角でしたから、トランプ氏の支持率は25%くらいという米国史上最低のラインからのスタートです。
では、何が有望な業種となるのでしょうか。おそらくは大量生産・大量販売、グローバルに展開していくという事業は暫くの間は後退し、今までは負け組と位置づけられてきた企業や、企業規模としては小粒ですが、ごく限られた層にホスピタリティ溢れるサービスを提供するような業種、企業が脚光を浴びるのかもしれません。
日本では「地産地消」というものがブームになりつつありますが、その土地に行かなければ食べられない、体験できないようなもの、あるいは、そのお店でしか買えないようなもの等の物質的にも心理的にも希少価値があるものが脚光を浴びると思われます。この続きはまた次回に。
『資産1億円への道』(2016年11月22日号)より抜粋・再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による
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資産が1億円あるとゆとりある生活が可能と言われていますが、その1億円を目指す方法を株式投資を中心に考えていきます。株式投資以外の不動産投資や発行者が参加したセミナー等で有益な情報と思われるものを随時レポートしていきます。