5. 最大の問題は「自分で調べて物件を建てる」プロセスがないこと
レオパレスでは、自分で調べて物件を建てるというプロセスがありません。
通常、賃貸アパートを建築する際は、1LDKにするか2LDKにするか等の間取りの選定や、その地域のニーズ、家賃相場などを自分で検討します。
しかしレオパレスの場合、間取りは決められており、地域のニーズに合っているか、家賃相場は適正かなどの検討をオーナーが行うことも少ないのです。
そのため、事業計画にある想定家賃と実際の相場との違いに気がつかないまま契約してしまい、(周辺の家賃相場が低いため)数年後に大幅な家賃減額を受け入れざるを得なくなる、というケースもあるようです。
本来、難しい事業計画を検討しなくても賃貸経営ができることがメリットであったはずの「サブリース」が仇となり、自分で建てる、自分で調べるプロセスが欠如した結果、多くの問題が生み出されていると言えます。
6. サブリースを解約されるとすべての部屋が空室になる!
サブリースを解約されると、その物件はオーナーが自分で管理しなくてはならなくなるのですが、その際は多くの物件が「全空(すべての部屋が空室)」になると言います。
中にはそこに住み続けたいという入居者もいるので、すべてではありませんが、基本的に解約時は空室になり、住民は近隣の別のレオパレス物件に移動するそうです。
もちろんオーナーは困ってしまいますが、入居者の連絡先を知らないので為す術がありません。
サブリース解約後の「全空」を避けるため、あるオーナーは、夕方の数時間アパートの前に立って、入居者が帰宅するのを待ち、直接交渉しなくてはいけませんでした。また別の高齢オーナーは、サブリース解約後に別の管理会社を探すことが難しく、半年間も管理会社を見つけることができませんでした。
仮に半年間、そのアパートが全部空室だったとしたら、銀行への返済などで大変苦労されたと思います。
私(姫野)自身も、レインズでレオパレスのアパートが売りに出ているのを時々見かけるのですが、「引き渡し時には全空になる」との注意書きが存在する理由がやっと分かりました。
7. 建物メンテ契約に「オーナー所有ではない」ガス設備が含まれている
通常、レオパレスオーナーは、「建物メンテナンス」と呼ばれる契約を行っているそうです。これは毎月一定の金額(平均して家賃の約7%)を支払って、建物や付帯設備をメンテナンスしてもらう契約です。
ところが、そのメンテナンス対象になっているプロパンガスの設備が、オーナー所有ではなかったそうです。
一般的にガスを契約する場合、都市ガスであれば設備はオーナーが自費で購入しますが、プロパンガスの場合はプロパンガス会社が無償もしくは権利金(キャッシュバック)付でレンタルする場合が多いのです。
そしてレオパレスの物件では、ガス会社の所有で多数、プロパンガス設備が導入されていました。オーナー自身は、まったくそのことを理解しておらず、プロパンガス設備も当然自分の所有だと信じ込んでいたようです。
ここで問題になるのは、毎月費用を支払っている建物メンテナンス契約の対象に、自分の所有ではないプロパンガス設備が入っていることです。
レオパレスのプロパンガス設備は、メンテナンス対象に含まれるべきものか、外されるべきものか。LPオーナー会では、この問題についても引き続き対応していくとのことでした。