しかし、物事には必ず表裏があります。
国民多数の幸運は、反面、少数の人たちに
とっては不運であったことでしょう。
消費税増税延期で苦汁をなめたのは、
財務省を中心とする緊縮財政派(財政均衡主義者たち)。
リフレ派論理の破たんでは、言うまでもなく、
岩田規久男日銀副総裁をはじめとするリフレ派。
TPP消滅で臍(ほぞ)を噛んだのは、
グローバル企業(資本)に連なる財界人、
新自由主義(ネオリベラリズム)の信奉者、
そして経産省のTPP推進派。
おしなべて今年不運だったのは、
国民国家や社会の行く末を蔑(ないがしろ)にする
一部のエリート層でしたね。
ただ運不運と言っても、三大イベントは
不可抗力ではなく人為的に発生したものです。
もしも結果が逆で国民多数が被害を被ったとしたら、
それはまさしく人災でした。
その原因は何処にあるのでしょう。
それはまさしく為政者による不適切な経済政策の選択、
より根本的には誤った経済思想の選択にあるのです。
ケインズにならえば「為政者といえども過去の経済思想の奴隷」なのですから。
安倍総理の経済政策はアベノミクスとして
知られていますが、その内容は一貫しておりません。
政策の中身が変わってきています。
今回取り上げた三大イベントは、
その変遷と軌を一にしているのです。
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