fbpx

安倍総理の三つの誤算=青木泰樹 京都大学レジリエンス実践ユニット・特任教授

しかし、物事には必ず表裏があります。
国民多数の幸運は、反面、少数の人たちに
とっては不運であったことでしょう。

消費税増税延期で苦汁をなめたのは、
財務省を中心とする緊縮財政派(財政均衡主義者たち)。

リフレ派論理の破たんでは、言うまでもなく、
岩田規久男日銀副総裁をはじめとするリフレ派。

TPP消滅で臍(ほぞ)を噛んだのは、
グローバル企業(資本)に連なる財界人、
新自由主義(ネオリベラリズム)の信奉者、
そして経産省のTPP推進派。

おしなべて今年不運だったのは、
国民国家や社会の行く末を蔑(ないがしろ)にする
一部のエリート層でしたね。

ただ運不運と言っても、三大イベントは
不可抗力ではなく人為的に発生したものです。

もしも結果が逆で国民多数が被害を被ったとしたら、
それはまさしく人災でした。

その原因は何処にあるのでしょう。

それはまさしく為政者による不適切な経済政策の選択、
より根本的には誤った経済思想の選択にあるのです。
ケインズにならえば「為政者といえども過去の経済思想の奴隷」なのですから。

安倍総理の経済政策はアベノミクスとして
知られていますが、その内容は一貫しておりません。

政策の中身が変わってきています。

今回取り上げた三大イベントは、
その変遷と軌を一にしているのです。

Next: 一貫性のない、安倍総理の経済政策

1 2 3 4 5
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー