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テレビが伝えぬ「小池劇場」本当のみどころと安倍総理最大の不安=近藤駿介

与党は政策論争の回避を狙っている

メディアで続けられている「小池劇場」は、安倍総理を含め国民が望む政策論争からかけ離れたものになっているだけでなく、主役を務めている「小池代表」や「希望の党」のイメージダウンを図るかのような内容になっている。

政策議論を横に置き「小池劇場」と小池都知事を持ち上げつつ、政策論争から離れた話題で暗にイメージダウンを図るような選挙戦は、さしずめ「日本的陰湿なトランプ選挙」である。

こうした政策論争が見えない状況から脱するためには、小泉進次郎議員が言うとおり、小池代表が早く退路を断って衆院選出馬を明言するしかない

与党側は、小池代表が出馬表明するまでは「日本的陰湿なトランプ選挙」を続けることで「小池代表」と「希望の党」の勢いを削ぎ、出馬表明後は「二足のわらじ」問題による無責任批判をすることで、政策論争の時間を短くすることを狙っていることは明らかである。

こうした不毛な議論から抜け出すためには、小池代表が出馬表明し政策論争を仕掛ける以外ない。

国民が期待するのは単なる「野党再編」ではない

小池代表には、「希望の党」の出現によって、イデオロギー対立の少ない政策論争が行われる土壌ができたことを喜んでいる国民を失望させないような英断を期待せずにはいられない。

メディアは「希望の党」の出現後の動きを、「野党再編」と伝えている。しかし、これは必ずしも正しい表現とは思えない

政権を担う党を「与党」、それ以外の党を「野党」とする定義からすれば、今回の動きも「野党再編」だといえる。しかし、今回の「野党再編」は、与党である自民党と「基本的な理念が同じ」である「希望の党」が主役であるという点で、これまでのイデオロギー対立を抱えた「野党再編」とは一線を画すものである。

「基本的理念」を軸として考えれば、「希望の党」は「野党」ではなく「4.8党」(与党と野党の両方を持つ党)だといえる。

小池代表には、「安倍降ろし」といった小さな「大義」を掲げて「野党再編」をするのではなく、「イデオロギー対立のない政策論争に基づいた政権選択選挙」を目指した「政界再編」を目指してもらいたい。

国民が期待しているのは批判の応酬ではなく、政策論争なのだから。

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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2017年9月30日)
※太字はMONEY VOICE編集部による

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