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ビットコインを叩きのめせ。G20が仮想通貨を目の敵にする納得の理由=E氏

「通貨もどき」が経済成長を阻害する

また、仮想通貨は政府や中央銀行機関からの独立性を謳い文句にしていますが、通貨となるとこの存在自体も問題になります。

元々は時の政権が通貨を発行していたのに、なぜ政府から独立した中央銀行が通貨管理を担うようになったのか。それは無尽蔵の発行を食い止め、通貨価値を維持させるためです。

現在、政府が通貨発行を行っているのは北朝鮮など独裁主義国家のみです。政府による通貨発行を認めると、支持率対策で無尽蔵に公共投資をするために通貨を大量発行したり、国民に通貨をばらまく(本田駐スイス大使の持論であるヘリマネです)恐れがあります。そして、このようなことをすると通貨価値は暴落します。

一旦、暴落したり価格変動が激しくなったら、(ハンカチ落としのゲームのように)決済のために一時的に保有しているだけで価値が目減りしてしまうのです。もちろん保管などもってのほかですが、誰も手元に持ちたくないような通貨は銀行に預けられることがなくなりますので、そうなると(預けた貨幣が資金ニーズのある借り手に回ることで経済が循環していく)信用機能が急速に失われていくのです。

そうなったら、新興企業は生まれないので経済は疲弊し、やがて破綻するでしょう。一人二人が、自分さえ良ければと思っていても問題ありませんが、信用機能のない通貨もどきがある程度以上の規模になってしまうと、信用機能の邪魔になってしまうのです。それが、今の仮想通貨市場なのです。

規制が入るのは当然

つい、一昨年までは無視できる存在でしたが、仮想通貨の時価総額は昨年のピークには40兆円以上になったと思われます。膨れ上がった時価総額の分はどこかからマネーを吸い上げてしまったのですから、各国中央銀行が必死に金融調整をしても、効果が半減してしまうようになったのです。

黒田日銀総裁の量的緩和のピークは年間80兆円のマネタリーベース増加をしており、一昨年9月の政策変更以降の実質緩和縮小で、年間40兆円規模までマネタリーベースの増加は減少しています。昨年の仮想通貨の時価総額は、この日銀の年間のマネタリーベース増加以上にまで拡大したのです。

この巨額のマネーが市況の乱高下で、仮想通貨から他の資産へと目まぐるしく資金シフトしたらどうなりますか?

当然、中央銀行の政策コントロールにも甚大な悪影響を及ぼすでしょうから、規制が入るのは当然でしょう。

Next: 通貨じゃなくても、実体経済に影響を与える存在になった

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