「自分の好きなこと=得意分野」という勘違い
ジョブ・マトリクスを考える際に、ポイントは2つあります。
それは「自分の好きなポジションで活躍できるとは限らない」ことと、「ポジションは他人との相対評価で決める必要がある」ということの2つです。
<ポイント1:自分の好きなポジションで活躍できるとは限らない>
多くの人は「自分の好きなこと=得意分野」と勘違いしています。
しかし現実には、自分の才能は別のところにある場合がほとんどです。人は自分の才能を選んで生まれてくることはできません。
現実には、自分の才能がどこにあるのかは簡単にはわかりません。「自分にはこの能力がある」と思ってやってみても、単なる勘違いの場合が多いものです。それでも、見つけるためには意識してトライ&エラーを繰り返すしかありません。
ヒントは、「他人の反応を鏡にする」ことです。自分で思っていた以上に相手が喜んでくれた時は、そこに才能が隠れている可能性があります。
<ポイント2:ポジションは他人との相対評価で決める必要がある>
ポイントの2つ目ですが、たとえ自分に専門技術があったとしても、組織内にもっとすごい人がいた場合は、その人とバッティングしないようにする必要があります。
せっかくの組織の力が反目によって削がれてしまわないよう、その人と協調するか、別の分野を目指したほうが懸命です。
組織で動くからには、「総合得点を上げることがゴール」です。自分1人がすごいだけでは評価されません。全体を底上げすることが、基本戦略となります。
それでは次に、事例を挙げてみますので、このジョブ・マトリクスを使って実際にキャリア分析を行ってみましょう。