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中国当局がひた隠す本当の「GDP成長率」を、人工衛星と人工知能が明らかにする日

人工衛星とAIによって中国市場が暴かれる

テクノロジーの進歩は、衛星画像や人工知能の助けを借りて、中国の実体経済の秘密をくまなく暴こうとしています。

出典:SPECTRUM

出典:SPECTRUM

4月17日、中国国家統計局によって、中国の第1・四半期の国内総生産(GDP)が発表されました。誰もが予想していたとおり、「前年同期比6.8%増となり、伸びは予想をやや上回った」です。中国国家統計局は、よほど「6.8」という数字が好きなようです。

カリフォルニア州のデータサービス企業である「オービタル・インサイト(Orbital Insight)」を2013年に設立した、NASAの元技術者で、現在は、Googleのエンジニアを努めているジェームズ・クロフォード(James Crawford)は、以下のように言っています。

「当社の顧客の多くは、市場の決定を下すためにできるだけ多くのデータを収集することを検討しているため、当社のデータは、彼らにさらなる視点を提供することに大いに役立っている」。

オービタル・インサイトが人工衛星AI(人工知能)によって提供している情報は、地球上のどの地域でも同一の方法論によって観察された結果であり、市場に参加する際の重要な意思決定に貢献しています。更新頻度も高いようで、信頼性が高いという評判は上々です。

オービタル・インサイトが契約している衛星やドローンによって撮影された地上のさまざまな建造物や物体(ビル、飛行機、道路、駐車場に止まっているクルマなど)を人工知能が認識して、これを解析することによって地球規模の変化を素早く捉えることができるのです。

東京営業所も開設予定。宇宙から石油供給量を計測している

オービタル・インサイトの「衛星利用ベンチャー」には、早くからビル・ゲイツや世界銀行などが注目しており、同社は、シリコンバレーで、今もっとも注目されているビッグデータ解析ベンチャー企業のひとつとされています。

現在のところ、機械学習による画像解析アルゴリズムを使用しているとのことですが、すぐにAIによるディープラーニングに拡張されていくはずです。

この種の画像解析サービスは、情報が多ければ多いほど精度が高くなるという特徴があるので、地球の表面をすべて網羅する面展開において過激な競争が生じます。

アジア太平洋地域全体におけるオービタル・インサイトの需要を掘り起こすため、2月に東京営業所の開設を発表しています。

GoogleアースやGoogleストリートビューで、少なからず私たちのプライバシーが冒されているように、オービタル・インサイトの人工衛星によって宇宙から監視される日も、そう遠くないうちにやって来るのでしょう。

もちろん、これは軍事技術の民生への転用にほかならず、今後、ますます精度が上がっていくにつれ、私たちはビッグブラザーの世界を実感させられるかもしれません。

そもそも、オービタル・インサイトのサービスは、衛星画像分析により中国の石油供給量を計測することを目的として開発されたものです。

Next: 宇宙から捉えたマクロ経済データが使われる日がやって来る

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