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バフェットは何を犠牲に成功した? 凡人がマネして億万長者になる方法(後編)=俣野成敏

1. 「弱者の採るべき戦略」を知る

成功者に学べ」というのは、世間でよく言われているところです。他者から学ぶことが重要なのは言うまでもありません。しかし、成功者と私たちの間には大きな隔たりがあり、一足飛びにそこにはたどり着けないことを知る必要があります。だとしたら、それまでの間はどのようにすればいいのでしょうか?

【成功法則5:過去ではなく未来を見よう】

いろいろな意味を含んでいる言葉だと思いますが、主に「失敗に対するリカバリー」について語っているのではないでしょうか。

投資をしていれば、どんなに選んだつもりでも、思ったよりうまくいかない投資先が必ず出てきます。一般に、予想する未来が遠ければ遠いほど、その精度は低くなります。これは未来がまだ起こっていないことである以上、やむを得ません。

最近のバフェット氏の失敗例で言うと、IBMへの投資があります。長年、「自分が理解できない事業には投資しない」という考えに従って、ハイテク株やIT関連への投資を控えてきました。ところが、2011年に突如としてIBM株に投資を始め、その筆頭株主に躍り出た際には、市場から驚きを持って受け止められました。

なぜ突然、IBMだったのかというと、ご本人曰く「50年以上、IBMの年次報告を読んできたが何も感じなかった。それが、今年になって別の角度から同社の報告書を読んでみたところ、すごい会社だということがわかった」のだとコメントしています。購入時のIBM株は、当時のほぼ最高値でした。

しかし近年のIBMは収益の中核となり得るような、競争力のある事業を育てることができていません。頼みのクラウド事業部は、ライバル会社に水を開けられています。結局、氏は6年経って同社の株をすべて売り、代わりにアップルを買い増しして、現在は第3位の大株主になっています。

超一流の投資家が、みんなの前で猛反省する

もともと、バフェット氏が「未来を見よう」と言ったのは、「長期投資で思った通りにいかないことがあっても、そこに執着していては、その分だけ未来の利益が損なわれてしまう」からです。

氏は、過去の株主総会で自分がアマゾンなどに投資をしてこなかったことを悔やむ発言をしています。ですがよく考えてみると、これだけの成功者が自分の過ちを素直に受け入れ、他人の前でそれを認めることができる、というのは驚くべきことではないでしょうか。

「未来を見る」のはとても難しい

実は、人間が「未来を見る」というのは、思っているよりもずっと難しい行為です。本来、動物としての人間は、未来のことに深く想いを馳せるようにはできていません。未来を見ることができるようになるためには、「目標を持つこと」がポイントです。「将来、あれが欲しい」とか「こうなりたい」、もしくは「こうはなりたくない」といった思いが人を動かす原動力となります。

これはたとえば、マラソンを走ることと同じです。仮に、誰かから「とりあえず走れるところまで走ってみなさい」と言われたところで、おそらく走ることはできないでしょう。「ゴールは42.195キロを走り切ることです」と言われるからこそ、そこに向けた準備が始まるのです。

いずれにしても、今年(2018年)88歳になるバフェット氏が「未来を見よう」と言うと、やけに説得力があるとは思いませんか?

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