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中国に負けて始まった日本のデフレ説。安い中国製品対抗で日本に賃金格差か=吉田繁治

例外を決めるのは「官僚」

労働と賃金には、固有の専門的な解釈が必要なものがあります。労務管理士という資格がある理由です。

時間給には、3か月サイクル以上の定期的な賞与を含みます。どれくらいの格差が許容されるのか、もっとも肝心なところは、いつものように不明です。

曖昧にしておく目的は、裁判官ではなく、官僚が関与することを増やすためです。これが官僚の権益の拡張です。

合理的かどうか、官僚の裁量で決めるのでしょう。現状の多くの会社のように、2倍の差でもいいのか、格差30%までなのか。肝心なところです。大店法でも同じでした。肝心な売り場面積の規定が、法では曖昧です。

日本の賃金は「成果に関係なく決まる」ことが多い

「定型的な作業」とは、会社が仕事の方法(手順)を決めているものです。「非定型な作業」は、作業者本人が創意と工夫をした作業方法です。

「作業能力」には曖昧な内容を含みますが、わが国の賃金の基本(賃金テーブル)は、職務の結果によってではなく、職務への能力で決められています。このため、多くの会社で、賃金は成果(作業結果と利益)には無関係です。

【米国の現場ワーカー】

米国の現場ワーカーには、2種の賃金があります。働いた時間で決める時間給(タイムワーカー)、処理した商品数で決める成果給(ピースワーカー)。流通業の物流センターやドライバーの多くが、ピースワーカーです。

百貨店などのセールス(販売員)は、「売上×5%」くらいの歩合給です。IBMでも40歳以上は、成果給という歩合給です。管理職は、年棒制が多い。ただし支払いは2週ごとです。

【わが国の正社員の賃金】

長期的には、高い成果を上げる人は、人事部(または上司)から職務能力が高いとみなされ、同じ入社歴でも賃金の上昇率が高いことが多い。官僚では、年齢と昇進が、報酬と関係しています。多くは経験年数です。

Next: 日本にある「パートと正社員」の曖昧な壁

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