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中国に負けて始まった日本のデフレ説。安い中国製品対抗で日本に賃金格差か=吉田繁治

日本にある「パートと正社員」の曖昧な壁

1日に8時間働くフルタイム雇用を、わが国では「正社員」と呼んでいます。

フルタイム雇用の全員が、管理職候補として、キャリアの階段を登るわけではない。しかし正社員とパートには、明文化されていない曖昧な境界があります。正社員が管理職になるケースが多いからです。ただし、パートも管理職にはなり得るでしょう。

欧州米国では、現場の賃金の基本は「時間給」です。雇用のとき、期限を定めない長期雇用ならフルタイム雇用とパートタイムに、明瞭な時間給の格差はない

ただし短期雇用の場合は、時間給は低くなることが多い。フルタイム、パートタイム、短期雇用という違いです。

【時間給の格差】

わが国のような、正社員(フルタイム)とパートという働く時間の違いからくる時間給格差がないことが、原則です。ここで言う原則は、例外があるという意味。会社が属人的に決めている労働と賃金では、デジタルな関係が曖昧になります。

パートタイムの賃金(時間給)が、フルタイム雇用者に対してどの程度かという点では、国際的に違いがあります(OECDの統計:2005年)。

国:フルタイムとの時間給格差
—————————-
日本:48%
英国:65%
ドイツ:74%
スペイン:76%
フランス:81%
ベルギー:82%
オランダ:92%
フィンランド:92%
イタリア:93%
スイス:96%

先進国の中で日本がもっとも低く、時間換算給でフルタイムの48%です。英国が比較的低く65%、移民が多いドイツ74%です。スペインが76%で中間的です。フランス・ベルギー・オランダ・フィンランド・イタリア・スイスでは、格差が小さい。

オランダ以降の4か国は90%以上ですから、フルタイムとパートの時間給の格差は「ほとんどない」と言えるでしょう。

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同一労働・同一賃金の法制化という重大な法案

小売・流通業のケース

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生産性の低下は、現場社員の能力低下ではなく、経営方法が原因だった

県別の最低賃金に近い、小売業パートの時間給

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※太字はMONEY VOICE編集部による

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