弁護士ドットコムにおける「ネットワーク効果」
こういった弁護士市場の中で、弁護士ドットコムは15,000人を超える弁護士が会員登録をしています。これは実に日本の全弁護士の1/3を超えるマーケットシェアになっています。
登録弁護士のうち3,825人が有料会員の登録をしています。つまり日本の全弁護士の約10%が弁護士ドットコムの有料会員になっているということになります。
弁護士ドットコムのビジネスモデルは、法律相談をしたいユーザーと顧客を獲得したい弁護士をマッチさせるマーケットプレイス型のビジネスモデルです。
この図にあるように、弁護士ドットコムのネットワーク効果というのは、弁護士とユーザーの2つの層をつなぐことで成り立つ仕組みになっています。
インターネットという手軽な手段を提供することで、今までわざわざ弁護士に相談するほどでもないと考えていたユーザーを開拓できていると考えられます。
そのような新規ユーザー獲得のためにより多くの弁護士が登録して法律相談に回答することで、弁護士ドットコム上の法律相談データベースにより多くの情報が蓄積されるようになります。
データベースが大きくなればなるほど、より多くのユーザーにとって魅力的になり、ユーザーが増えます。ユーザーが増えれば増えるほど、さらに多くの弁護士にとって魅力的なプラットフォームになるという具合の好循環を生み出しています。
このようにプラスのループが回りだすと、プラットフォームとしての魅力がどんどん大きくなる正の循環が働くことになります。
実際に数字で見てみると、左のグラフにある通り法律相談件数は右肩上がりで増えてますし、それに伴いユーザー側の有料会員数も右肩上がりで増えています。
という具合に、しっかりとした2層の間でのネットワーク効果が働いていることがご理解いただけると思います。
クラウドサインにおける「ネットワーク効果」
本業である「弁護士ドットコム」に続き、会社として現在最も注力して投資をしている、「クラウドサイン」の事業も見ていきましょう。
クラウドサインとは、契約書のやり取りをクラウド上で電子的に行うためのプラットフォームです。このスライドにある通りフリーミアムモデルで展開されています。
先日アメリカでも「DocuSign」というまさに同じようなサービスを提供している会社が上場しました。これから「紙で契約書を交わすことがどんどん減っていき、徐々にクラウド上での電子的な署名に置き換わっていく」というトレンドが続いていることに関しては疑いの余地はないと言えるでしょう。
クラウドサイン事業の導入企業数・契約締結件数が共に右肩上がりで伸びているだけではなく、伸び方のカーブが指数関数的に上がっていることがご覧いただけると思います。
今年度の成長イメージのグラフを見ると、この右肩上がりのグラフがさらに角度が上がっていく形で計画されていることもよくわかります。