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中国勢の引き上げで湾岸タワマンは売れ残りへ。いつ家を買うのが正解なのか?=午堂登紀雄

家を買うにはエネルギーが必要

また、なぜ「欲しいと思ったとき」が買い時なのかというと、家を探して買う一連のプロセスには莫大なエネルギーが必要であり、それなりの情熱がないと途中で面倒になって挫折しやすいからです。

たとえば物件の周辺環境は、土地勘のない場所であれば一度や二度ではなく、平日の日中と夜、週末の日中と夜なども見に行くかもしれない。学校・病院・役所・スーパーマーケット・コンビニといったインフラの存在も利便性に直結するので確認しておきたい。

また、自分の通勤や転職可能性だけでなく、子どもの通学・進学や配偶者の通勤にも考慮した場所選びになるし、将来の家族計画も先取りした間取りの検討をするかもしれない。

中古物件であれば、周辺にどういう人が住んでいるかとか、マンションなら修繕見積立金の状況も確認したり。提携ローンがセットになっている新築マンションとは違い、中古では住宅ローンも個別審査になることが多いため、都度打診をしなければならない…。

これを複数の物件を比較し検討するのは時間も労力もかかるので、欲しいという欲求がなければ続かないでしょう。

家の値段だけではないトータルコスト

それに、住む場所によって住宅費以外のライフコストも変わります。

たとえば東京都千代田区のように夜間人口が少なく、事業所の数に比べて子供の数が少ない地域、あるいは港区など高額所得者が多い地域では、子供に手厚い補助を出すことができます。自治体は法人からの税収で余裕がある一方、教育関連支出が少ないからです。そのため都内では12歳まで医療費無料という区がほとんどです。

ただし待機児童の問題もあります。現実には子供を預けられず、認可外保育園しかなく、かえって高くつく可能性もあります。

子供の学校区の問題もあり、レベルが高いのか、そうでもないのか。それによって、私立へ行かせるかどうか、塾に通わせる必要があるかどうかなど、子供への教育にかけるお金や時間も変わります。

あるいは交通費。サラリーマンであれば、交通費は会社から支給されますが、子供が学校に通う交通費は、基本的に自己負担です。

郊外に安く家を買ったけれど、子どもが都心の私立校に通うようになった。その際、通学定期がべらぼうに高く、3ヶ月定期で都内のワンルームマンションを借りられるくらいの金額で苦しい、ということになっている人もいるそうです。

実際、新路線とともに開発された千葉県郊外のあるニュータウンでは、東京までの通学定期は1ヶ月で2万円。これで子どもが2人なら4万円です。もちろん通常の乗車運賃も高く、往復で2,000円以上します。

現役なら会社負担で気にならないとしても、定年退職後は自腹ですから、都心に出るのが億劫となり行動範囲まで狭まりそうです。

このように、子どもの医療費助成、私立保育園補助や学費補助等に限らず、自治体によって住民サービスの制度が異なります。

そして住宅ローンの返済額からそういった優遇制度を合わせると、家を安く買ったはずが実はそうでもなく、逆に高く買ったと思ったけどトータルでは安上がりだった、ということもありえるでしょう。

つまり、家の値段だけでは決まらない側面もあるということです。

Next: 人生において「家を買う」理想のタイミングとは?

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