かつては「寿司を安く食べられる」と評判に
かっぱ寿司は、1978年に長野市に1号店が開かれました。その後、回転寿司チェーンとして順調に規模を拡大し、2003年に東証1部に上場。「ロープライスポリシー(低価格販売政策)」を掲げ、寿司を安く食べられるということで評判を呼びました。
2011年まで業界トップを維持していましたが、2012年にスシローに抜かれると、あっという間に業界4位にまで転落してしまいます。2012年度以降は赤字続きとなります。
たまらず2013年には米卸販売を手がける神明および同業の元気寿司と資本業務提携を結びますが、うまくいかなかったのか、2014年には居酒屋・甘太郎や北海道などを運営する外食グループのコロワイド傘下に入りました。今はそこで再建に取り組んでいます。
みんなが「うまい寿司」に期待している
栄枯盛衰の激しい外食産業において、典型的とも言える転落劇。そこには、経営の難しさが見え隠れします。
かっぱ寿司は、低価格戦略により規模を拡大してきました。しかし、問題は提供しているものが「寿司」だったことです。
回転寿司とは言え、顧客は寿司に対してそれなりの高級感を求めてやってきます。しかし、かっぱ寿司は安さを追い求めるために品質をおろそかにしてしまった可能性があります。
サイドメニューが勝敗を握る?「はま寿司」が急上昇中
そこに登場したのが、スシローやくら寿司などの新興勢力です。安くても品質を重視する姿勢や豊富なサイドメニューが受け入れられ、かっぱ寿司から顧客を奪っていきます。スイーツやラーメンなどのサイドメニューが充実したことで、従来のファミレスなどとの垣根もなくなってきました。
回転寿司業界が激変する中で急上昇しているのが、ゼンショーグループ傘下の「はま寿司」です。日本最大の外食グループの資本力や食材調達力を活かし、次々に新店舗の開拓・サイドメニューの充実を図りました。店舗数だけ見ると、スシローを抜きトップに躍り出ました。
サイドメニューは寿司より原価率が低く、利益につながりやすい特徴があります。ヒット商品が生まれればそれ目当ての顧客もつかむことができる、一石二鳥の戦略だったのです。