ギフテッドは貧困層や障害者からも発掘される
こうした組織以外にも、各大学でも力を入れています。
たとえばウイリアム・アンド・メアリー大学は「キャンプ・ローンチ」という貧困のギフテッドチルドレン発掘プログラムを行っています。というのも、ギフテッドは障害を持つ子も少なくなく、貧困層からも発掘されているからです。
ほかにも、デューク大学はギフテッド教育に力を入れていることで有名で、中学1年生を対象とした「タレントサーチ」という、全国に眠るギフテッド発掘プロジェクトを実施してます。
このように米国では50年以上にわたってギフテッドの研究されており、多くの学区が知能テスト(認知能力だけでななく非認知能力を問うもの)をギフテッド発掘に取り入れられています。
そして規定以上の高いスコアをとった生徒はギフテッドと認定され、特別なプログラムに通えるようになっているのです。
親の無知が子の可能性を摘む
一方、ギフテッドの発掘・育成に国家レベルで取り組んでいる国はそう多くありません。なぜかというと、ギフテッドに認定される子どもは、普通の子どもとは違って扱いにくい側面があるからです。
たとえば幼いころから正義感が異常に強くて親や学校に反発するとか、先生が困るような深く本質的な質問をするとか。
かといって成績はオール5とは限らず、興味のある科目はめちゃめちゃできるが、興味のない科目は全然ダメで授業中もぼーっとしているということもあり、学校のテストでは才能が発揮されないことも多い。
つまり、ある分野では傑出した能力を発現するが、その他の分野では平均以下というのがギフテッドの特徴です。
そんなふうに心と体、そして能力が非同期(バラバラ)に発現するため、学校になじめず問題児扱いされやすいのです。
これが特に日本では親が無知なため、「扱いにくい子」「変わった子」で済まされている状況もあるでしょう。