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総裁選直前、米ロが安倍三選を阻む? どちらに転んでも日本経済に嵐が吹き荒れる=斎藤満

「安倍三選は確実」との見方が定着するなか、もう一波乱ありそうです。外交で支持を集めた安倍総理が、最後に外交で足をすくわれる皮肉な結果となるもしれません。20日行われる自民党総裁選の直前予想と、その後の日本経済を待ち受ける壁について解説します。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)

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プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

米ロが反安倍に動いている?安倍・石破両氏の政策論争は舞台袖へ

プーチン発言で永田町に激震

20日投開票の自民党総裁選まで1週間を切った15日の段階で、共同通信は安倍総理が議員票405のうち345票を固め、地方党員票についても405のうち250票をまとめ、全体で810票のうち4分の3を確保したと報じました。

その通りなら安倍総理の圧勝となり、安倍総理に反旗を翻した形の石破元幹事長を抹殺できるだけの勝ち方となります。

しかし、その一方で12日のウラジオストックでのプーチン大統領発言を受けて、永田町に激震が走り、多くの閣僚、官僚が官邸に走り、野党議員はプーチン大統領に謝罪を求めるべきだと抗議、菅官房長官はその対応に追われたと言います。

プーチン発言は、ウラジオストックで行われた東方経済フォーラムのあとの共同記者会見でなされました。

もとはと言えば安倍総理が、習近平国家主席・プーチン大統領が横に並ぶ席で、次のような発言したことが引き金になりました。安倍総理は、「これまで日本は日ロ平和条約締結に向けて努力してきましたが、これまで長い間平和条約締結には至りませんでした。条約締結を支持してくださる方はどうぞ拍手でお答えください、皆さん」と訴えたのです。

会場からは拍手が起こり、それを受けてプーチン大統領が突然、「それなら私見ながら、前提条件なしに平和条約を年末までに締結しましょう。ややこしい問題はすべてそのあとに対応したらよい」と発言したのです。安倍総理は笑みを見せたのですが、永田町はひっくり返りました。

北方領土問題「放棄」でも安倍支持を続けられるのか?

野党議員のみならず、与党議員、閣僚まで慌てさせた理由は、平和条約締結の法解釈にあります。つまり、北方領土問題で日ロ両国が争っている最中にあって、現時点では日ロ間で国境問題が確定していません。年内に北方領土問題が解決しないとすれば、これをわきに置いて平和条約を結ぶと、第二次大戦で北方領土はソ連が取得したとの前提で国境が確定してしまう懸念があります。

そうなると、後になって北方領土問題を争うことは極めて困難になります。このため、一部メディアは「北方領土問題先送り」と書きましたが、法解釈上はむしろ北方領土「放棄」に近いものです。これを懸念した議員が驚いて官邸に殺到したわけです。

官房長官はすぐに「北方四島の帰属問題解決が先で、平和条約締結はそのあとだという日本の立場に変わりない」と述べています。

この時点で安倍総理と菅官房長官との間に「溝」ができましたが、表向き安倍支持の自民党議員もこの問題を認識できる人にとっては、安倍、プーチン発言は大いに不安を与えるものとなったはずです。投票は無記名のため、投票日になって安倍支持を維持できるか、不透明材料になっているはずです。

Next: 安倍支持派が揺れている?「2島返還」のシナリオも残されているが…

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