安ければ買って、あとは放置すること
バリュー株投資の原則は、短期慎重・長期楽観です。トランプ大統領の問題もあり足元で大きく下げていますが、長い目で見ればこれを拾い時と捉えることもできます。リラは、政策金利を24%にまで引き上げたことで下落は止まったようにも見えます。
トルコ経済は成長を続けています。2050年まで続く人口の伸びは少なからず成長に寄与するでしょうし、世界最大級のテレビOEM生産を手がけるVESTELなど、将来が期待できる企業も出てきています。
リスクとしては、長期的なリラ安に加えて、エルドアン大統領の強権政治が良からぬ方向に働き、経済成長を停滞させる可能性があることです。これまで大統領は経済に重きを置いてきましたが、近年は独裁化やイスラムの宗教色が強まっています。ビジネスがやりづらい環境になれば、継続的な経済成長に水を差すおそれもあります。
もちろん、投資にリスクはつきものです。少なくとも現在の株価指標や、長期的に見た経済成長に対する割安感は強いことから、バリュー株投資のトレーニングとして投資してみるのも面白いかと思います。インデックスですから、一度買って、あとは放置しておくのが得策です。
価値に対する投資の考え方として、以下のTweetが印象的です。
トルコリラ暴落が話題だが、実際に現地にいると控えめに言って幸せでしかありません。高級懐石コース175リラ(約3,000円)、最高級懐石コース250リラ(約4,300円)、どちらも税サ込み。板長は日本人。ここは長友夫妻もお気に入り。
美味しゅう頂きました。#トルコリラ #懐石 #日本食 pic.twitter.com/5wcsqGGSA4
— 迷える仔牛 (@lost_calf) 2018年8月11日
トルコ・リラの下落により、本来高額の懐石料理が激安価格(外貨建て)で食べられるというものです。為替は長期的には一物一価の原則により適切な水準に収れんするものであり、その観点で今が割安だということは間違いなさそうです。
長期投資で成功する秘訣は、普通に物を買うように「安い」と思った時に買うことです。割安な株価と通貨安は、将来から見れば「バーゲン価格」だったという可能性もあります。全力で投資するには心もとないですが、ポートフォリオの一部に加えるには悪くないタイミングだと思います。
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『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2018年9月18日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。