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バフェットは投資先のどこを見る? 潰れる会社の見分け方と避けるべき2つの業種=栫井駿介

危ない業種(2):航空会社

同じく倒産が多い業種に、航空会社があります。

記憶に新しいところでも、日本航空スカイマークを挙げることができます。日本に限らず、海外のエアラインも度々経営破たんしています。

航空機を購入するためには、1機でも100億円単位の資金が必要となります。その時点で多額の有利子負債に悩まされるのですが、問題はそれだけにとどまりません。

まず、航空機を飛ばすのに大量の燃料を使用します。これは、乗客が多かろうと少なかろうとかかってしまう固定費です。原油価格が高騰すれば、コストは急激に膨れ上がります。

乗客数の変動も非常に大きいビジネスです。かつて9・11テロ事件や新型インフルエンザが流行った際は、航空需要が大きく落ち込みました。単に景気が悪くなった場合でも、多くの企業は遠方への出張を控えるようになるでしょう。

このように、航空会社は負債・コスト・売上のあらゆる面で大きなリスクを抱えているのです。バフェットもしばしば「航空会社へ投資しないこと」を教訓として語っています。

過去の倒産事例を観察すれば見えてくる

もちろん、どの業界に大きなリスクがあるかを知ることは簡単ではありません。そんなときは、集合知を借りましょう。不安の大きな業種は、低いPERにとどまっています。例えば、マンションディベロッパーは常に一桁のPERです。

業種全体で極端に低いPERを見つけたときは、その業界の過去に何があったのかを調べれば大体原因は分かります。問題は不景気の時に露見するものなので、今からだとリーマン・ショックまで遡ればおおよそ見当をつけられるでしょう。

過去に悲惨な状況になっている業種は、よほど個別企業の分析に自信がなければ避けるのが賢明です。

いくつか事例を挙げましたが、これでもほんの一握りにすぎません。危ない企業を見分けるには、過去の倒産事例をよく観察することで、少しずつ感覚を研ぎ澄ますことができるようになります。

まずは、最近起きている倒産や経営危機のニュースに対してアンテナを高くすることが大切です。なぜそのような状況に陥っているのか、財務はどうなっているかなど、自ら頭を働かせることで本質が見えてきます。

Next: 自分が選んだ投資先は大丈夫か?会社の未来を具体的に想像しよう

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