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手ごわいプーチン大統領を出し抜き、北方領土問題を解決する秘策とは=浜田和幸

北方領土問題は、なぜなかなか解決しないのでしょうか。また、どうしたら解決できるでしょう。今回は、その要因を紐解きながら解説していきます。(浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』浜田和幸)

※本記事は有料メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』2018年11月2日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

プロフィール:浜田和幸(はまだ かずゆき)
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。

北方領土に住むのは、現地で生まれ育ったロシア人の3代目たち…

日本人の旧島民のほとんどは既に80歳以上

ぶっちゃけ、ロシアのプーチン大統領は手ごわい相手だ。

安倍首相はこれまで同大統領と23回もの首脳会談を重ね、自分の任期中(即ち、あと3年以内)に「平和条約を結び、領土問題を解決する」と決意を露わにしている。しかし、まったく前進が見られない。

かつて日本が沖縄をアメリカから返還させた時には、現地に多数の日本人が暮らしており、本土との連携の上で、「祖国返還運動」を熱心に展開したものだ。

ところが、北方領土の場合には日本人は一人も住んでいない。全員が72年前に、旧ソ連軍に追い出され、北海道に移住させられたからである。

旧島民の人々は根室を中心とする北海道から「望郷の念」を募らせるのみであった。

一方、現在、北方領土(ロシアでは「南クリール」と呼ばれる)に暮らすのは、これらの島々で生まれ、育った3代目となるロシア人なのである。彼らにとっては、北方領土は祖国以外の何物でもない。

日本人の旧島民は既に大半が80歳を越える。ビザなしの墓参に加わることのできる人々も年々先細る一方である。

日ロ両国政府は島々での「共同開発事業」に合意をしているが、イチゴの栽培事業一つをとっても、合意から3年近く経っているのに具体化の道筋さえ見いだせないまま。エネルギーや観光資源開発、そして農業や水産業など、話題にはなるが、日本企業はどこも進出しようとしない。

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