良い銘柄を少しでも安く買う「バフェッティング」とは?
私が理想とする買い方は、絶対的な割安さのある企業の中から、相対的に安いタイミングで買うことです。まず、多くの銘柄の中から、優良で現時点においてそこそこ絶対的な割安さのある銘柄に焦点を絞ります。そして、その銘柄が大きく値下がりするのを待つのです。
買いのサインは年初来安値を更新したタイミングです。1年のうちに最も安いということですから、少なくとも直前の1年間で最も有利な価格で買えることになります。
ただし、年初来安値を更新したからといって、すぐに大きく買うわけではありません。そこからさらに下がる可能性は決して低くありませんし、勢いで言えばその可能性の方が高いとも言えます。
そこで肝となるのが、分割して買うことです。年初来安値を更新したタイミングでまず買ってしばらく様子を見ます。
そのまま上がったら上がったで良いですし、逆にさらに10%下がったら買い増しを行います。買値を下げることで、いい銘柄をより「お得」な値段で買えることになるのです。長期的に株価が上昇すれば、リターンの向上に貢献します。
相場の格言に「二度に買うべし、二度に売るべし」というものがあります。分割して動くことで、先行きの見えない相場への対処という心理的な負担を軽減することができるのです。
この方法を学んだのもバフェットからです。バフェットはAppleを買い増していますが、そのタイミングは明確に株価が下落または低迷した時でした。

※大きく買い増しを行ったのが2012年と2016年(ともに株価下落時)
出典:Bloomberg
少しでも安く買うという意味で、「バフェッティング」という言葉が使われることがあります。この言葉に代表されるように、長期投資では買値に徹底的にこだわり、できるだけ安く買うことが鍵を握るのです。長期投資では、買値を徹底的に意識した投資を行いましょう。
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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2018年11月29日)
※太字はMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。