信用できない政府統計
また今回、麻生大臣が暴言を吐いたベースにある厚生労働省の月次統計は、今年1月にその手法をいじった途端に暴騰しはじめたものです。
これはさすがに日銀からも疑問がよせられるようになっており、日銀は今年7月の経済・物価情勢の展望リポートでは、この厚生省の統計方法変更の影響を除いた別の数字を採用することとなっているのです。
景気がよくて賃金も上昇という内閣府の発表数字は正直なところ俄かには信じがたいところに差しかかっているわけです。
結局のところこうしたデータは、アベノミクスにより経済が発展したことをアピールするためにデフォルメされている可能性すらありそうです。
なにより、それだけ景気がよくても多くの上場企業の経営者が従業員に対しての労働分配率をまったく上げようとしないことを見ると、企業経営者自体は自らの努力で業績を伸ばしているのであって、足元の経済状況は改善していないことを誰より感じているのではないかとさえ思う次第です。
消費税上げをしてみればどれだけ景気が悪いかがはっきりわかる
米国はすでに景気拡大が120か月を超えることとなり、いよいよ来年に向けてリセッションに直面しそうな状況が近づいています。
そして、日本がこれに巻き込まれる可能性は極めて高く、日銀の下駄履きでなんとか2万円台を死守している日経平均が大幅に下落するリスクも当然考えなくてはならない局面がやってきそうです。
安倍内閣は来年10月に消費税上げを実施するようですが、ちょうどこのリセッション入りとタイミングが合うことになれば、とてつもない景気後退が襲ってくることになります。
そして、現状の景気拡大と賃金の上昇という内閣府の発表が、本当だったのか、嘘だったのか。それがかなりはっきりするものとみられます。
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