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震え上がる習近平、ファーウェイ事件でわかった米国「中国つぶし」の本気度=江守哲

ファーウェイ問題を政治利用するトランプ

今回、米国はこの問題を徹底的にやるでしょう。

クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、孟氏の逮捕について「対中貿易協議には現時点で影響はないと思う」としています。ナバロ通商製造政策局長も、米中通商戦争の「休戦」と、孟氏の逮捕は関係がないとの見解を示しています。

そんなはずがないわけです。

ファーウェイは中国ハイテク産業政策の中核企業であり、さらに逮捕が1日の米中首脳会談当日だったため、トランプ政権が貿易協議を有利に進めるための交渉材料にするとの観測が浮上しています。

その観測通りです。いや、それ以上でしょう。今後、通商交渉も協議が難航することになるでしょう。よほど中国が譲歩しない限り、トランプ政権はますます中国への締め付けを厳しくするでしょう。

トランプ大統領は、表向きは「中国との交渉は順調に進んでいる」とのコメントしています。しかし、そんなことがあるはずもありません。期待していると、はしごを外されるだけです。

中国の矛先は「カナダ」へ

そして、中国は嫌がらせを米国に対してでなく、孟氏を逮捕したカナダに矛先を向けました

有力シンクタンク「国際危機グループ(ICG)」は、中国など北東アジア担当のマイケル・コブリグ氏が中国で拘束されたとする声明を発表しました。コブリグ氏はカナダの元外交官として北京や香港での勤務経験があり、中国語が話せるといいます。

今回の事件との関係は不明とのことですが、直接的に関係があると考えるのが普通でしょう。中国も露骨な対応ですね。交渉下手とも言えます。

こんなことをすれば、米国を怒らせるだけですが、交渉の仕方をわかっていないと言わざるをえません。

中国の王毅国務委員兼外相は、「在外の中国人の正当な権益を侵害するいじめ行為を絶対に座視しない。全力で国民の合法的権利、世の道理と正義を守る」と異例のコメントを出しました。孟氏逮捕を念頭においた発言ですが、その一方でカナダ人を拘束する。とんでもないわけです。

中国外務省の陸慷報道局長は、「王外相が指摘したのは、孟晩舟氏の事件を含む中国政府の一貫した立場だ」と言明しています。

一方、王外相は講演で、米中関係について「社会制度や歴史・文化、発展水準が違う両大国は不一致が避けられず、一夜で問題解決できない」とし、「中米が対抗すれば勝者はなく、災いが全世界に及ぶ」とし、米国の歩み寄りを促しています。

ファーウェイ事件の根はさらに深い

しかし、今回の事件の根の深さはこんなものではすみません。

繰り返しですが、ファーウェイの孟氏の逮捕は、まさに今後本格化する米中貿易協議に大きな影響を与えるでしょう。

これまで指摘してきた、米国の中国潰しがいよいよ本格化するわけです。トランプ政権が対中政策を緩めることはありません。むしろ、ますます強化されていくでしょう。そして、不透明感はさらに強まっていくでしょう。

Next: 米国ハイテク企業にも大ダメージ。被害を被るのは日本か

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