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戦後最長の好景気もついに終焉?今回の暴落はどんな大底を形成するのか=山崎和邦

今年最大のイベントは米国景気と日本景気の終焉だ

今年の最大のイベントは戦後最長を記録した日本景気と、米国景気の終焉である。

ヒトゴトではなく日本景気も戦後最長記録を記録して、これも終焉を迎える。株価は先行して下げる。つまり10月2日に最高値を迎えた後、3ヶ月で約5,500円下がったことはアベノミクス大相場の終焉の「理想売り(観念売り。本稿では『逆・青春期相場』と言おう)」である。

実勢はいまだ良好であり、企業決算は好調であり雇用も好調である。にもかかわらず、株だけが勝手に下げ始める。これは「現在は暗いが将来を買う」という青春期相場の真逆であり、「現在の実勢は良いが将来を売る」というものであり、逆・青春期相場とでも言うものである。

2012年12月から始まって、2013年5月末まで短期間で約8割上がった青春期相場の時に「青春期相場が最も激烈で全ての銘柄が上がる。あばたもえくぼで上がる。現実は暗いのに夢を買うのだ。そこは峻厳なる現実の世界ではなく豊富なる可能の世界だ。人はこの夢に鼓舞されて無茶苦茶に買う」と述べた。木佐森吉太郎はこれを「厳寒の中に咲く一輪のフクジュソウを見て人は春爛漫を想定する」と述べた。これであった。

逆・青春期相場もこれである。実勢は良いが将来の厳寒を小春日和のうちに売っておく。それは初動のうちの方が激烈である。次に逆・壮年期相場(実勢を売る)が来るはずである。

ただし、大底のつけ方は次の項目で述べるように常に一定とは限らない。今回を除いては史上最長だった「いざなぎ景気」(65年11月~70年7月)の大相場では日経平均は2.5倍になって、その大底は1年間でつけてしまった

しかも▲25%で完了した。しかも「コツンと来た」という鋭角的なセリング・クライマックスを経ずに、銘柄別に個々に大底を付けてダラダラとした鍋底型大底(ソーサ型大底)であった。

大底は必ずしも、03年春にりそな銀行に2.2兆円を注入したのを最後として、金融不安の終焉の時のV字型回復、または09年のリーマンショック後の暴落の後のV字型回復の時のようにセリング・クライマックスを迎えてV字型回復するものとは限らない。だからこそ本稿では相当以前からキャッシュポジションを高めて好機を待とうと呼びかけてきた。

Next: 毎回おなじとは限らない、大底のパターンとは?

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