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Tポイント消滅の序章か。アルペン「楽天ポイントへの乗り換え」がもたらす業界再編=岩田昭男

不発に終わった楽天の営業努力

楽天は、共通ポイント事業に参入する前に、新規の営業マンをたくさん雇い、全国で営業活動を展開したが、加盟店開拓は思うようにいかなかった

Tポイントがつくった「1業種1社」という壁が大きく立ちはだかったのだ。その結果、楽天ポイントの加盟店には、デパートの大丸松阪屋や石油販売の出光興産などの大手も加わったが、大半は業界3番手クラスの企業になってしまった。

有力企業はTポイントとポンタにとられた後であり、3番手の楽天には目ぼしい企業はほとんど残っていなかった。先行者のおこぼれを楽天が拾うという構造になっており、楽天は不利な戦いを強いられた。

そこで、楽天の三木谷浩史社長は記者会見などの公の席で「わがグループは1業種1社にはこだわらない」と繰り返し述べることになる。三木谷社長は、寡占化を招くルールにしばられることなく、企業が2つでも3つでも自由に共通ポイントを受け入れるのを認めるべきだと主張した。後発組がトップを狙うには同じ土俵で戦っても勝てない。積極的に下克上を仕掛けなければならない。三木谷社長はそう考えたのだろう。

しかし、Tポイント陣営が三木谷社長の声に耳を貸すことはなかった。「1業種1社」の壁は簡単には崩れず、共通ポイントとしての楽天ポイントは、鳴かず飛ばずの状態がしばらく続いた。

それでも、業界4番手のサークルKサンクスというコンビニを取れたので、楽天はホッとした。なぜなら、共通ポイントにはコンビニは欠かせないからだ。コンビニを拠点に顧客獲得ができるし、さまざまな仕掛けをつくることができる。大手にくらべて見劣りするものの、サークルKサンクスを起点に息長く努力すれば、道は開けると楽天は期待した。

楽天の転機となった2016年

しかし、その期待も見事に打ち砕かれた。転機になったのは2016年だった。この年、サークルKサンクスがファミリーマートによって吸収合併された。私は、ファミリーマートにサークルKサンクスが吸収されても、当面は楽天ポイントも使えるだろうと考えていた。

しかし、甘かった。店舗があっという間にファミリーマートのデザインに塗り替えられるのに合わせてTポイントが導入され、楽天ポイントは追い出されるようにして撤退せざるをえなかった。

その結果、楽天はリアル攻略における足場を失い、ローソンの軒先を借りて細々と楽天ポイントを続けるしかなかった。このとき私は、ビジネスの非情さを目の当たりにした思いがした。

楽天は同じころ(2016年12月)、スマホのアプリ決済、楽天ペイのサービスも開始している。しかし私は、もう楽天はリアルへの進出はあきらめたほうがいいのではないかと思った。いまから思えばこうした動きは、ネットとリアルの両方の顧客を取り込むO2Oへの強いこだわりの結果だったのだが、私にはそれがわからなかった。

Next: ネットも制するかに見えたTポイントは、どこで間違えたのか?

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