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大手メディアが報じないベネズエラ紛争の闇~米中覇権争いの背後にある本当の資源争奪戦=高島康司

ベネズエラ問題の背景は原油なのか?

このようにベネズエラ問題が膠着状態にある理由は、中国とロシアがマドゥロ政権を支援しているので、トランプ政権は簡単に同政権を打倒することができないからだ。アメリカ、ロシア、中国がベネズエラの支配権を巡って競い合っている状態だ。

このような状況になっている背景には、ベネズエラの原油にあると考えられている。ベネズエラ南部の「オリノコ・ベルト」から採掘される油田の存在にあるとされている。しかしここから産出される原油はタールを多く含有しており、品質が非常に低い。

むしろ、中国、ロシア、そしてアメリカが支配を競うのは、ベネズエラとギアナ、そしてブラジル沖にまたがって存在する「エセクイバ油田」の存在である可能性が指摘されている。この油田から産出される原油の品質は高く、サウジアラビア並だとされている。

明らかになる紛争の深層~レアメタルの争奪戦

しかし最近、これとは大きく異なる理由がクローズアップされている。

ベネズエラが米中ロのいわば代理紛争の舞台になっているのは、ベネズエラから発見されたレアメタルのひとつ、「コルタン」の存在にあるという見方だ。「コルタン」とは、レアメタルの一種である「タンタル」を含有する鉱物である。「タンタル」は「コルタン」から産出される。

いま5G自動運転車IoTAI、そして再生可能エネルギーなどの次世代型のテクノロジーが急速に発展し、それこそ米中がテクノロジーの覇権をめぐって争っているが、「タンタル」はそうしたなかでも最も重要なレアメタルのひとつである。

「タンタル」の中心的な用途のひとつは、「タンタルコンデンサー」である。それはノートPC、タブレット、およびスマートフォンなどの情報通信機器をはじめ、液晶テレビ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、DVDプレーヤー、ゲーム機など、デジタル家電や自動車部品などに使われる。さらに、耐熱・耐食材料、合金添加物、切削工具、光学レンズなどにも使用され、用途は広い。

いま、5Gの新高速通信規格のスマートフォン、電気自動車、さらに自動運転車などのテクノロジーを中心とした第4次産業革命が進展しており、「タンタル」はこのテクノロジーを支える最も重要な原材料のひとつだ。

いま、コンゴ民主共和国が最大の生産国だが、抑圧的な奴隷労働で生産されているとして告発されている。アメリカを始めとした先進国の多くが、コンゴの奴隷労働で生産された「タンタル」の輸入規制を強化しており、これが「タンタル」の市場価格を潜在的に引き上げる要因にもなっている。

Next: アメリカはレアメタルで覇権を失う?

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