しばらく使わないお金があるとき、どうせなら投資して増やしたいと思う人は多いかもしれません。しかし、5年程度の期間ならすべてを投資するのは考えものです。(『教育貧困にならないために』川畑明美)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。
使うタイミングが決まっている資金を投資するには
投資期間が短い場合はどうするのか?
「あと5年くらいでお金を使いたいのですが、投資で増やしてもいいのでしょうか?」
このようなご質問をいただくことがあります。
5年というのが微妙ですね。短くもないけれど、長くもありません。
このような場合は、すべてを投資に回すのではなく預貯金も同時に貯めていくことでリスクを軽減することができます。
例えば、3万円捻出できるのでしたら2万円を投資して、1万円は預貯金にすることです。
なぜなら、ポートフォリオは、現在の経済状況に合わせて決める方が効率が良いからです。
株価が上がっていく状態にあるのでしたら債券の比率が高いと効率よく増やせません。
1万円を預貯金にするのはいつ暴落があるかわからないからです。
少し試算してみましょう。
1万円を預貯金で、2万円の内70%の1.4万円を株式の投資信託にするとします。残りの6,000円は、先進国債券の投資信託にしました。
リスクの調節は、安全資産ですること
予期していなかった政治的な政策で株価が5年後暴落したとします。株価が半分になってしまいました。
1万円の預貯金は、そのまま1万円です。
株が暴落して、半額の7,000円になってしまいました。
有事の円買いがおこって、円高になってしまい債券も2割り下がって4,800円になってしまいました。
合計2万1,800円です。
もしも、3万円をすべて投資にしていたら?
配分は同じく、株70%先進国債券30%にします。
2万1,000円で購入した株が半額で1万500円、9,000円で買った債券は2割り下がって7,200円で、合計1万7,700円になってしまいます。
投資をしなかったら、3万円でしたがすべて投資にしてしまうと、1万2,300円下げてしまって、使おうと思っていても使えないお金になってしまうのです。
『教育貧困にならないために』(2019年4月15日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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