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セブンイレブンに学ぶ、企業を劇的に成長させた商品の価値開発=吉田繁治

セブンイレブンの食の品質・味>ローソンの食の品質・味

セブンイレブンが、1日に3回は補充するために、店舗配置のドミナント戦略をとっていること。ローソン、ファミマではドミナント配置が弱く、1日1回から2回までの配送が多く、お弁当・総菜の鮮度で劣ること。お弁当でも「作り立て」は最良の調味料です。

セブンイレブンでは、定番期間が3か月以内(最長6か月か)と短く、つぎつぎに新商品に変わり、商品鮮度がフレッシュで、売り場の照度も高い。本部では常に、お弁当・総菜の新商品開発を行っています(20代から30代の女性がマーチャンダイザー)。

コンビニは1日、1,000人(平均単価600円)が来店します。2,000人商圏では、半分が行くことになりますが、実際はそうではない。1日に2回、3回は行く、時には深夜を含むと、4回という単独世帯の顧客も多いのです。

高頻度来店に対しては、食べる商品が変わることが重要です。美味しいものでも、3か月に20回続けることはできないからです。このためセブンイレブンでは、2,600品目が1年で3回転くらいしています。

主力の総菜・弁当は、年5回は変わっている感じです。400品目として、年間2,000品目。本部では1か月に、160品目(1日に8品目)くらいの新商品開発が行われています。『蕎麦』『パスタ』『おにぎり』…も、容器を含む細部が変わり続けています。

こうした「(従来の食の機能・品質+S.S.の購買価値+高頻度購買の価値)÷価格」から、コンビニは大産業になったのです。いま、コンビニ(そのなかでもセブンイレブン)が、ほぼあらゆる品目で最大数の商品を売っています。

米国の『7-11』が、日本型の「(従来の食の機能・品質+S.S.の購買価値+高頻度購買の価値)÷価格」では発展していないのは、米国での買い物は徒歩や自転車は皆無であり、ほぼ100%が車だからです。

そのため、10分かけていくSMと、S.S.の購買価値が変わらない。

アマゾンでの、商品の高付加価値化とはなにか

アマゾンは株価の時価価値(会社価値)100兆円に、中国のアリババは50兆円になっています。一方で、1990年代までは時価総額世界1だったウォルマート(世界年商60兆円)は、時価総額が32兆円です(19年4月)。

アマゾンは、メーカー、卸、小売りが出店する「マーケットプレース」の仕組みから、商品の品目数は1億品目と言われます。日本型の大型百貨店が100万品目ですから、その100店舗分です。といえば、時価総額100兆円も理解できるでしょう。

米国アマゾンの売上は、20兆円でした(税後利益は3,300億円:2017年)。日本アマゾンは、1.5兆円の売上です(2018年)。1年に15%くらい伸びています(日本)。米国では20%から30%増です。

アマゾンは顧客にとっての商品価値で、どんな革新を行ったのか。この面で高い価値がないと、商品の売れ行きは増加しません。商品が売れないと、マーケットプレースの出品は増えず、品目数も増えないのです。

アマゾンの顧客にとっての、商品高付加価値化=「(明日届く+商品レビュー+テールエンド商品まで)÷(配送費のかからない)価格」です。

商品レビューは、顧客がスマホやSNSを使って書いた商品評価です。顧客の5星評価と、その感想が、プロモーションの商品価値になっています。

売れ行きが、店舗では下位2.5%のテールエンド商品(標準偏差の2倍:2シグマ)でも、「米国では2億人が検索するアマゾンで買うひとが増える」。2億人の商圏をもつ「有店舗」は、ありえません。

理由は、使ったひと食べたひとのプロモーションを意識していない、顧客の立場からの商品の評価があるからです。これがあると、初めての商品も安心して買うことができる。中国のアリババも同じです。

顧客は、スマホからアマゾンの商品レビューを書くことにより、報酬のない労働価値を提供しています。これが、アマゾンの会社価値になったのです。

この意味で、アマゾンは新しいことを商品価値とした店舗です。20年かかって、商品レビューの価値を作り上げ、自分のものにしました。

有店舗が提供していた顧客への商品価値は、陳列棚(ゴンドラ)の数10種の商品構成からの選択価値でした。アマゾンはこれに、使った人、食べた人の商品レビューの価値を付け加えたのです。

最初は、アマゾンはこれを意識していませんでした。WEBでのネット販売を行ううちに、売れた商品の売上分析から、商品レビューのプロモーションの価値がわかり、いまは毎回、メールで「評価」を求めてきます。

アマゾンに出品することにより、メーカー、卸、小売りは、個々の品目に無償労働の商品レビュー(販売員の機能)のついた新商品を作ることになったのです。まさに、利は商品の元にありです。

Next: いま、また新たに生まれつつある物流における新しい価値とは?

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