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日に日に深まる今回の逆イールドカーブは、ついにリセッションを起こすのか?=藤井まり子

今起きている「逆イールドカーブ」は1998年型

「2006年型や2000年型の逆イールドカーブ」は、短期金利がやたら上昇することで起きた「逆イールド」でした。典型的な「近いうちのバブル崩壊型・景気後退入り型」の「逆イールド」でした。

2006年や2000年は、FRBが、過熱した経済の中で、インフレ退治のために政策金利の引き上げをばかすか行っていたのです。中央銀行であるFRBがインフレ退治に本腰を入れれば、バブルだって弾けてしまうのです。その後、案の定、アメリカ株式市場はバブル崩壊して、アメリカ経済は唐突に景気後退入り(=リセッション入り)してゆきます。

しかしながら、今回の2019年のアメリカの「逆イールドカーブ」は、「1998年型の逆イールド」です。2018年12月、パウエルFRBは間違えてしまったけれども、わずか一回の利上げ(昨年12月の利上げ)しか間違えていません!

今は、経済のどこを眺めても、過熱しているような気配は見られません。インフレもバブルも起きていません。

振り返ると、20年前のロシア通貨危機が起きていた「1998年型の逆イールドカーブ」では、短期金利はたいして上がらないまま、長期金利がやたら下落していました。そのために起きた「逆イールド」でした。

「バブル崩壊前の逆イールドカーブ」と比べると、まったく異質だったわけです!

当時は、アメリカ以外のグローバル経済では、アジア通貨危機やロシア通貨危機などの危機が連発していて、やたらドル国債に人気が集まり、ドル国債が買われ過ぎてたのです(その結果、長期金利は低下)。

めぐりめぐって、2019年。今も、1998年と同じようなことが起きています。

今は、習近平政権が中央主導で強力に金融市場をコントロールしているものの、その強力なコントロールがなかったら、「中国発通貨危機」が起きていても不思議ではない状態です。

ヨーロッパのほうでは、「突発的なブレグジットの危険」が再び台頭しています。イギリス以外でも政治の混乱は続いています。

アメリカ以外では、どこもかしこも「危機」だらけなわけです。

こういった中で、グローバル規模での「質への逃避」が過剰に進んで、アメリカドル国債がやたらと買い進められている。その結果、アメリカの長期金利がやたらと低下しているのです。

ですから、2019年の金利市場では、20年前の「1998年型の逆イールドカーブ」が起きているわけです。

こういうときの「逆イールドカーブ」発生では、バーナンキ(元FRB議長)やガイトナー(元財務長官)などの多くの識者が指摘しているとおり、中央銀行であるFRBが対応を間違わない限り、その後のバブル崩壊も起きなければ、その後の景気後退も起きません(きっぱり)。

近いうちに「FRBに利下げを求める督促相場」が巻き起きます。その時、FRBが正しい対応をして(=対応を間違えないで)軌道修正すれば、すなわち、利下げを実行すれば、再び「アメリカ株式ブーム」が形成されてゆきます。

かくして、先行き不透明なものの、今起きているのは、「1998年型のマーケットの大波乱」の「始まり」でしょう。「アメリカ株式ブームの終焉」「アメリカ経済のリセッション入り」ではないです。

Next: アメリカ経済に大きな影響を与えた、本当の原因とは?

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