日本はまるで成長していない
下図は藤井聡氏が作成し、三橋貴明氏がよく紹介するグラフである。この20年間で米国はGDPを2.3倍、英国は2.4倍、フランスは1.8倍、韓国は3.6倍に伸ばした。
例えば、試算すれば、1995年の日本のGDPは512兆円だが、もし他の国と同じように年平均3%の成長を遂げていれば、2015年には1.8倍の925兆円になっている。他の諸国が2倍になっているのに、日本だけがフラットなのが異常なのだ。
日本だけが経済規模を増やせていない
NHK-BSの『空港ピアノ』を見ていると、欧州の市民社会がかつてよりも格段に豊かになっている現状がよく分かる。25年間でGDPを2倍にしていて、経済拡大の果実を市民個々が得ていて、日本人と較べてゆとりある人生を送っている事実が伝わってくる。
同じ新自由主義の格差社会の矛盾と弊害に苦しんでいても、彼らは全体で経済を2倍に拡大させた中での矛盾と弊害であり、われわれは25年間成長なしの絶望と貧困である。
われわれは絶えざる生活水準の切り下げを耐えていて、銀座を闊歩する富裕中国人を横目に、歯噛みしながら日常を送っている。左翼学者の指導と訓告に従って、ユニクロを着て鍋をつついて、質素に清貧に暮らしている。
基本的に、少子高齢化についてはEU諸国も同じ条件だし、韓国も日本と悩みは同じだろう。リーマンショックの打撃と混乱も同じである。条件は同じだ。
条件は同じなのに日本だけが経済規模を増やせてない。