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7pay大失敗の裏に有能幹部の不可解な左遷? ファミペイと明暗を分けた2つの失策=岩田昭男

nanacoに固執し出遅れたセブン・イレブン

それに対してファミペイは、ライバルの自滅を尻目に順調に会員数を増やしている。スタートから1カ月でダウンロード数は300万を超えた

QRコード決済に対する考え方においてファミリーマートとセブン・イレブンの違いは際立っていた。セブン・イレブンは2007年にサービスを開始したnanacoをメインに据えて顧客の囲い込みを図っていた

とくに、nanacoの1%ポイント還元は消費者にとって非常に大きな魅力で、他の電子マネーにはまねのできないもので、対抗できるのは楽天カードくらいだった。公共料金の支払いもできるなどからコンビニ客の人気も高く、セブン・イレブンといえばnanacoというイメージができあがっていた。

見方を換えると、セブン・イレブンは電子マネーのnanaco一辺倒といってもよく、QRコード決済に対しては冷ややかな見方をしていた。前述したように、昨年から今年にかけてファミリーマートやローソンは複数のQRコード決済サービスを導入して、ブームの演出に一役買っていたのに対して、セブン・イレブンだけはまったくQRコード決済が使えなかった

7payがスタートした7月1日からはLINEペイやPayPay、メルペイのほかにアリペイ、ウィーチャットペイも使えるようになり、ファミリーマートやローソンに追いつくことができた。つまり、やっとライバルに追いつき、さまざまな決済サービスを提供することができるようになった。

この方針転換を私は歓迎したが、なぜかnanacoの1%ポイント還元を半分の0.5%にして、そのぶんを7payに付け替える(通常ポイント0・5%に期間限定で0・5%を加えて1%にする)というセコイことを始めたので、またセブン・イレブンに対する不信感が頭をもたげてしまった。

そこに7payの一連の不祥事が起きたのである。

PayPayに学んだファミペイ

さて、ファミペイに話を戻すと、ファミペイは非常にオーソドックスなQRコード決済だ。オーソドックスとはどういうことかといえば、PayPayによく似ている、何から何までそっくりだといっていいかもしれない。QRコード決済の認知度を一気に高めたPayPayのスタイルを踏襲したということなのだろう。

決済に紐づけるクレジットカードはファミマTカードで、この紐づけされたクレジットカードを使うことでいろいろなおトクが取れる仕組みになっている。

たとえば、ファミマTカードでチャージすると15%、買い物をすると20%還元される期間限定サービスを行った。高還元率のポイントサービスでスタートダッシュ直後から攻勢をかける戦術は、まさにPayPayを見習ったものだろう。

さらにいえば、ファミリーマートは昨年末から今年の初めにかけての「PayPay祭り」の騒動に学んだのだ。ファミリーマートはソフトバンクやヤフーと一緒になってPayPay祭りの神輿を担いだ。そのときに、QRコード決済にとって何が大事で何をしてはいけないのか、といったことを直接見聞きすることができた。

PayPayも予算が足りなくなって急遽キャンペーンを切り上げざるをえなくなるなど、決して順風満帆だったわけではない。むしろ多くの批判にさらされたといったほうがいい。そういう意味では天国と地獄を見てきており、その貴重な体験をファミペイに活かしている

Next: ファミペイはいずれコンビニ専用から脱皮する?

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