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香港デモは終わらない。中国政府に屈せず自立する香港市民から日本人が学ぶべきこと=俣野成敏

【なぜ香港は世界的な金融センターとして発展したのか?】

俣野:それでは少し、金融の話に移りたいと思います。

そもそもなぜ、香港は世界的な金融センターとして発展してきたのでしょうか?

S理事:イギリスの調査機関Z/Yenが毎年行っている「国際金融センター指数」によると、2019年の1位:ニューヨーク、2位:ロンドンで、香港は3位に入っています。

ちなみに、4位:シンガポール、5位:上海で、6位に東京がランクインしています(日経新聞Web版、2019年6月11日)。

香港やシンガポールが世界的な金融センターとして突出してきた理由は、やはり場所的な要因を外すことはできません。

現在に至るまで、香港のライバルとも言えるシンガポールとの間には、多くの共通点があります。かつて、ともにイギリスの支配下にあって、自由貿易港として栄えてきたこと、シンガポールは後ろに東南アジア経済圏を抱えているのに対して、香港は巨大な中国市場が控えていること、などです。

香港は文字通り、人、モノ、お金をつなぎ、流通させるための世界的なゲートウェイとしての役割を担っています。

金融都市と聞くと、なんだかものすごい先進的な取り組みをしているように聞こえるかもしれませんが、実際は「当たり前のことを、当たり前に処理できるかどうか」です。

たとえば日本の銀行では、米ドルを現金で下ろそうとするだけでも、意外に制約がありますよね?でも、香港だったら問題なくできます。

それは日本の銀行がダメで、香港の銀行がスゴイということではありません。

需要と供給の問題です。現状、香港にはその需要があり、日本にはその需要が少ない、ということです。

日本の金融業界にも、ユーザーの要望に応えて、即時決済できる優れた仕組みと、便利なATMが普及しています。だからキャッシュレス決済に対する必然性が少なく、普及が遅れているわけです。

中国でキャッシュレス決済が急速に普及したのは、国が広くて銀行業務が万人に行き渡りにくいからです。

【日本にはない「金融マーケット」がある】

俣野需要と供給のパワーバランスは、金融商品に対しても働いている、と?

S理事:そうです。日本の方にとって、「投資顧問会社が身近な存在になっていない」という事実が、すでに状況を物語っています。一般に、投資顧問会社を身近に感じている人というのは、10億円以上の資産を預けている人だと思います。要は、投資顧問会社が1人のために動いてくれる最低ロットの相場が、世界的に見て10億円だということです。

俣野:10億円!

S理事:つまり10億円あれば、あなただけの投資商品を組成することは理論的に可能だ、ということです。これを逆から言うと、「10億円ないのであれば、他の方法を考えないとダメだ」という意味でもあります。ところが、香港には10億円がなくても、投資顧問会社を使える下地があります。香港が、それだけのマーケットと競争がある唯一の場所だからです。

Next: 香港がバックに持つチャイナ・パワーのメリットとデメリットとは?

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