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バブル突入への危険な前兆?日経平均株価10連騰でバリュー投資家が確認すべきこと=栫井駿介

9月17日の引け時点で日経平均株価が10連騰となり、上昇率は6.6%にのぼりました。このような上昇時、バリュー投資家はどのように立ち回るべきなのでしょうか。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

日経平均2万2,000円回復、バブルへつながる「流動性のわな」

米中貿易緩和期待、欧州追加金融緩和などを背景に

日経平均株価が10連騰(編注:9月17日引け時点)するなど、株価は上昇を続けています。連騰中の上昇率は6.6%にのぼりました。

日経平均株価 週足(SBI証券提供)

日経平均株価 週足(SBI証券提供)

上昇要因は以下の2点が挙げられます。

・米中貿易戦争緩和期待
・欧州中央銀行(ECB)による追加緩和

米中貿易戦争に関し、まず中国が米国からの輸入に対する報復関税対象から一部の品目を外すと発表しました。それを受けてトランプ大統領はまず追加関税の発動を10月1日から15日に先送りし、さらに「暫定合意」も辞さないと発言しました。

急速に雪解けムードが高まったように見えます。

そこへECBが利下げ(マイナス金利の深堀り)および量的緩和の再開を発表したことも株価上昇の追い風となりました。

トランプ大統領はECBの利下げを、通貨(ユーロ)を下げて貿易を有利にするものだと捉えたため、FRBに対しさらなる金利引下げを迫っています。これにより、来週行われる会合での追加緩和期待が高まりました。

米中貿易戦争と利下げは、この1~2年にわたって市場を動かし続けるテーマとなっています。しかし、どちらも決定的なものは見えてきません。

貿易戦争は単なる収支の問題ではなく、世界の覇権争いの様相を呈しています。かつて米ソが半世紀近くにわたってにらみ合いを続けたように、この対立も簡単に解決するものではないでしょう。

また、利下げすれば景気が回復するかというと、そう単純な問題ではありません。

金利を引き下げて効果があるのは、それが経済をとりまく人々の心理に影響を与える時です。金利が大きく下がれば、利息が高いからと控えてきた設備投資や住宅投資を実行しようという気になります。しかし、すでに10年以上にわたって低金利が続く環境では、今更下がっても大したインパクトはなく、投資や消費を増やすことにはなかなかつながりません。

金利を引き下げ続けることでその効果がなくなってしまうことを「流動性のわな」と言います。経済は金利に対して不感症になってしまうのです。日本は1990年代半ばにこの状態を経験しています。

余ったお金が行き着く先が、株式や不動産などの金融資産です。しかし、金融資産価格の上昇は本来価値の裏付けがあるもので、それを大きく上回る価格がつくことが「バブル」なのです。

すなわち、現在の株価上昇はバブルにもつながりかねない、危険な兆候と言えるのです。

Next: こんな時、バリュー投資家はどのように立ち回るべきか?

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