40歳からの早期退職が猛烈に加速するご時世を見ていますと、労働力不足は大ウソで、実際には低賃金で長時間働いてくれる人材や建設関係の労働力、介護にかかわる労働力などが圧倒的に不足しているだけであることがわかります。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2019年10月7日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
ほかの会社では通用しない。サラリーマンの「一生働く」は困難に
労働市場に嵐が吹き荒れる
大型台風の通過、皆さまの周辺には大きな被害がありませんでしたでしょうか?
昔から台風の被害というものはそれなりに発生する国であったわけですが、世界の気候が大きく変動してこれだけ次から次へと巨大台風が通過して甚大な被害がもたらされる時代が到来するとは夢にも思いませんでした。
しかし、この国の労働市場と労働環境のほうも巨大台風以上に夢にも思わない状況が到来しているようで、この国に暮らしていく我々はここからの人生にこれまでにないような覚悟をもって臨む必要がでてきているようです。
台風一過に読んで楽しいメルマガにはなっていませんが、今回は国内の労働市場の激変についてお送りしてみたいと思います。
とうとう40歳からのリストラも登場
国内企業はこれまで昭和、平成はなんとか終身雇用を維持することができたことから、潜在的に500万人はいるのでは?とされてきた大手企業を中心とした社内失業者たち。
それがいよいよ外部に放逐される時代がやってきたようで、有能な人材以外は会社に残れない時代が鮮明になりつつあります。
東京商工リサーチが大規模な早期退職者募集を行う企業の状況を発表していますが、2019年の上場企業の早期退職や希望退職の対象が9月末時点で既に27社・計1万342人を超えたことを発表しています。
年間1万人を超えたのは6年ぶりということで、リーマン・ショック後の2010年を超える状況となっているようです。
また1,000人規模の早期退職募集を行う企業は今年上半期だけでも3社あり、つい最近ではセブン&アイ・ホールディングスが3,000人規模のリストラを発表しており、雇用情勢はかなり悪化していることがわかります。
いわゆる肩たたきによる退職というものは想像以上に進んでいることを、あらためて実感させられます。
景気の悪い企業では人員削減やむなしという見方も強いわけですが、本邦企業の内部留保額が日本のGDPと同額もしくはそれを上回るほどになっている状況下で、高収益企業でも人員削減が断行されようとしているのは、正直驚き以外の何物でもない状況です。
これまでバブル入社組で過剰に雇用してしまった45歳以上が一斉に人員削減の対象として狙われてきている話は、当メルマガでも何回かご紹介しています。
足元では、とうとう40歳から早期退職のターゲットになりはじめているようで、日本の企業はすでに新卒から20年会社にはいられないところになってきていることがわかります。
すでに雇用した人材を再教育したり配置転換して新たに戦略的に業務につかせることができない企業が続出していることを示唆する状況といえるのでしょう。
これまで企業のリストラや早期退職というのは、それぞれ個別に様々な事情を抱えていたことから一括りのトレンドとして語ることはできなかったわけですが、どうも現実はそうではなくなっている点に非常に危機感を感じます。