2020年は、一にも二にも労働環境の変化
労働環境を変えることの目的は、ひとえに社会保障制度において、「給付額の削減と保険料徴収者の拡大」にあると思います。
「働けるうちは年金をもらわないで働け」
「保険料支払は働いている全世代で負担しろ」
というものです。
今通常国会では、年金給付の蛇口を閉める法案、保険料徴収窓口を増やす法案が可決されます。
よく見ておいてください。
「人生100年時代」「働き方の多様化」「ワーク・ライフ・バランス」という、きれいな言葉で覆い隠しながら、実質は、社会保障財政の見直しに出てくるはずです。
100年まで生きると言っても、健康寿命、労働寿命は限られます。60歳を過ぎると一気に体にガタが来て、65歳を過ぎると、内外からも「老人」になっていきます。人生100年なんて、とんでもない話です。
生活の心配をしなくて良い老後資金があって、初めて「人生100年」が楽しめるのです。
「100年まで生きるから」「70歳でも元気だから」と社会制度を変える、労働環境を変えるというのは、話が違います。
もっとも、貧乏老人は一生働けという事で、年金だけでは暮らせないので、否応なしに働かなければならなくなっていくのですけどね。
働き方改革と社会保障制度改善はセットになっている
副業奨励も、働き方改革の柱の1つになっています。
会社は終身雇用・年功序列を、正式に放棄することを宣言します。その代わり、副業してもよいから、自分たちの生活や老後は、会社に頼らないで自分たちでなんとかしてということになります。
ライオン株式会社は2020年春をめどに、人事部が社員に副業を紹介する制度を始めます。人材紹介会社と提携し、幅広い仕事を取りそろえるようです。
副業は社員が自ら探すのが一般的ですが、関心があっても自分で見つけるのが難しいケースが多いようで、だからと言って紹介までするのは珍しいことです。
副業しやすいように、本来の業務での残業しなくて良いように調整します。
つまり「あまり働くな」ということで、それが「ワーク・ライフ・バランス」の名のもと、時給カットでと労働者賃金を減らす方向につながります。
正社員はいいけど、非正規社員やパート社員は、もろに手取りが減ります。ボーナスもありませんからね。
非正規雇用者もパートタイマーも、社会保険料を負担します。
今にしてわかったのですが、働き方改革と社会保障制度改善は一体なのですね。