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韓国、新型肺炎で3度目の経済危機へ?カギを握るのは崖っぷちのウォン相場=勝又壽良

中国経済の回復策に何があるか

韓国経済は、中国に大きく依存している。その中国経済はどうなるか。

新型コロナウイルスによる中国国内の死者が、2月1日時点で304人となり、前日から45人増えた。中国国外で初となる死者が、フィリピンで確認されている。中国での新たな感染者は2,590人で、計1万4,380人に達した。

これまでは診療体制の不備で、診察を受けるに2日待ちという人々はざら。応急措置として、2月2日と5日に完成を目指してきた、ベッド数が計2,500床程度のプレハブ簡易病院を開院できる。これにより、感染者数は飛躍的に増えるであろう。

SARSなどでも、特効薬は生まれなかった。ただ、過去の治療に役立った薬品を中心にして、新たな治療薬が探されている。免疫学も飛躍的に進歩しているため、治療薬およびワクチンがずっと早期に利用可能な期待も出ている。

米国立衛生研究所(NIH)は、米国主要医薬品会社のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、モデルナ・セラピューティクス、イノビオ・ファーマシューティカルズなどと協力して既に、新ワクチン開発に取り組んでいるという。4月頃には成果が期待されている。『ウォール・ストリート・ジャーナル』(1月31日付)が伝えた。

中国では、中国科学院上海薬物研究所などが生薬製剤(漢方薬)に新型コロナウイルス抑制効果があることを発見したと報じた。それによると、「双黄連内服液は金銀花、黄?(おうごん)、連翹(れんぎょう)の三味の生薬から作られており、中国伝統医学(中医)においては清熱解毒、表裏双清の作用を持っているという。中国政府機関紙『新華社』(1月31日付)が伝えた。

米中が、揃って現代医薬と漢方薬の対照的な角度から治療方法を研究中である。

SARS以上の経済的ショックが訪れる

だが、実際に医療現場で使われるまでには数ヶ月を必要とする。早くて今秋ごろの話だ。それまでは、感染者を増やさない努力が求められる。

中国では、ウイルスの拡散防止のため春節(旧正月)休暇後も、企業に休業延長や従業員の出勤を控えるよう指示をしている。『日本経済新聞』(2月2日付)が確認したところでは、省、直轄市、自治区で少なくとも全体の約8割の25地方政府に上がっている。中国全土で8割の地方政府が休日延期を命じたとなれば、生産面への影響は甚大だ。現在は、9日までの休業が多いものの、感染者の増加基調が変らなければ休日再延期によって、就業再開はさらに遅れる。

今回の新型ウイルスが、中国に与える影響を予測するには、SARSによる経済的な損失が参考になる。

中国政府が、SARSを公式に認める前の2003年1~3月期実質GDPは11.1%であった。それが、4~6月期には9.1%まで低下した。下半期には回復して10%に戻っている。

この状況から見れば、SARSによる経済的な影響は軽微と言えよう。当時の中国経済は、「人口ボーナス期」の真っ只中にあった。つまり、生産年齢人口比率が上昇し続けていたのだ、潜在成長率が上昇局面であり、なんら問題なく「SARSの傷」は癒えたのである。

今回は、その生産年齢人口比率が、2010年をピークに下落局面(「人口オーナス期」)に移行した。潜在成長率が低下しているのだ。

今回は、SARS以上の大きな経済的な打撃を受ける。

Next: 中国の成長鈍化は確実? 日本も経験した「失われた20年」に突入する

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