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肺炎にならずに重症化?新型コロナウイルス「進化」の兆候と民族的に危険な日本人=高島康司

南米に拡大

しかし、このような明るいニュースがある一方、蔓延のさらなる拡大を示す情報もある。

そのひとつは、「南米の感染拡大」懸念である。新型コロナウイルスの感染状況を伝えるメディアに「タイランド・メディカル・ニュース」がある。意外と知られていないが、タイは感染症研究では先端的な国だ。歴史的に感染症が多かったことも背景にあるようだ。そのタイの医療情報サイトが、「タイランド・メディカル・ニュース」だ。

ここの記事によると、これまで南米の感染者数はほとんど報告されていなかったが、最近になってコロンビア、ペルー、ブラジル、アルゼンチンなどの国々の医師が、新型コロナウイルスによく似た症状の肺炎患者が増加していることを報告しているという。

これらの国々にはまだ十分な医療体制も検査体制もできていない。そのため、かなりの数の感染者がおり、ウイルスを拡散している可能性が高い。

これは、感染者の拡大が続いているイランの状況とよく似ているとしている。これから急速に感染者の拡大が、中南米で見られるのかのしれない。

進化するウイルス

さらに「タイランド・メディカル・ニュース」では、新型コロナウイルスが明らかに進化しているとする記事も出している。

新型コロナウイルス「CoVid-19」は、二重螺旋ではなく、一本鎖のRNAタイプのウイルスだが、すでにそれを構成するタンパク質の一部が新しくなっているタイプが発見されている。これは前々回の記事で紹介した。

これを証明するように、これまでにはない特徴が新型コロナウイルスの感染者に見られている。まとめると次の2つになる。

<(1)感染者の若年化>

これまで子供などの若年者は、新型コロナウイルスには罹りにくいと考えられてきた。また罹っても症状は軽度にとどまり、重症化するケースはほとんどなかった。

しかしながら、武漢や上海では12歳以下の子供が罹患し、重症化するケースが見られるようになっている。

ウイルスの研究者は、この特徴の違いから見て、これは武漢で拡散した初期のコロナウイルスではなく、これから進化した新しいタイプである可能性が大きいとしている。

<(2)肺炎を伴わない重症化>

さらに注目すべきは、症状の大きな変化である。

新型コロナウイルスは新型肺炎と呼ばれるように、肺炎を中心とする呼吸器疾患が主たる症状である。死亡するケースのほとんどは、肺炎の悪化である。

しかしやはり上海や武漢では、肺炎を伴わず、腎疾患や心疾患で突然死するケースが数多く報告されるようになった。死亡した患者には既往症もない人も多かった。

やはりこの症状の大きな違いから、これは初期のコロナウイルスではなく、これから進化した新種のウイルスではないかと見られている。

Next: もっとも危険なのが日本人と中国人?「ACE2受容体」の存在

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