内閣府が9日に発表した2019年10~12月期の国内総生産(GDP)改定値は、物価変動を除いた実質で前期比1.8%減、このペースが1年続くと仮定した年率換算は7.1%減となり、速報値(前期比1.6%減、年率6.3%減)から下方修正されたことを、日本経済新聞、毎日新聞、朝日新聞、時事通信、共同通信などが報じた。改定値では、法人企業統計など最新の統計を反映した。
内閣府が発表した2019年10~12月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比1.8%減、この成長ペースが1年間続いた場合の年率換算では7.1%減と、速報値(年率6.3%減)から下方修正されました。https://t.co/reJDdHqhCq
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) March 9, 2020
各紙は、マイナス成長は5四半期(1年3ヶ月)ぶりで、昨年10月の消費増税で個人消費が落ち込んだことに加え、企業の設備投資が低迷したことが要因だと伝えている。日本経済新聞によると、需要項目別に見た実質GDPは、個人消費が前期比2.8%減(速報値は2.9%減)、住宅投資が2.5%減(同2.7%減)、設備投資が4.6%減(同3.7%減)、公共投資が0.7%増(同1.1%増)。年率の減少幅は前回消費税増税時の14年4~6月期(7.4%減)以来、5年半ぶりの大きさだ。
共同通信は、「新型コロナウイルス感染症の拡大で、20年1~3月期も2四半期連続のマイナス成長となる可能性が高まっており、日本経済は長期停滞入りの瀬戸際に立っている」と報じている。
今年に入り、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大。国内外への旅行やイベント、外出等の自粛が政府から要請されたことで、日本経済に大きな打撃が及ぶだろうと不安視されているが、今回発表された改定値は、昨年末のもので新型コロナウイルスの影響は含まれていない。
ネットでは、「コロナに関係なく経済ボロボロ。そのしわ寄せは庶民に降りかかる」「日本経済も最悪のケース」「消費税増税後の日本、坂道の転げ落ち方が本格的すぎて笑えない」「消費税で恐慌レベルなんだから、1月以降のコロナで大恐慌じゃん」と今後の経済状況を悲観する声が多く投稿されている。
また「消費増税失敗なんてもんじゃない」「民主党政権時を超える経済被害だ」「コロナウイルスの前から景気悪化が鮮明だとバレてしまった」と、「景気は緩やかに回復している」と発信し続けてきた安倍政権に対する批判も高まる一方だ。
与野党の議員らはSNSを通じて「消費税減税を含め、大胆な経済対策が必要」「経済に与える悪影響は2011年を上回るという危機感をもって対策を提言する」「思い切った経済政策を行わないと不況が長期化する恐れがある」などと投稿。危機感を持って経済政策を行っていくとしているが、世界的危機の最中、アベノミクスの大失態をどのようにして挽回してくれるのだろうか。今月5日に更新された首相官邸ホームページの「アベノミクス 成長戦略で明るい日本に!」の文字は虚しく踊ったままだ。
日本は新型コロナウイルスの感染抑止とともに経済政策においても正念場を迎えそうだ。
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