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新型コロナ、完治後も他人に感染? 研究が進む新症状「胃腸障害」と8つの変種=高島康司

新型コロナウイルスの進化と変異のタイプが判明?

これは、これまでさまざまな研究者が行っていた新型コロナウイルス(Covid-19)の遺伝子解析をすべて総合した結果、新型コロナウイルスの進化と変異のタイプが判明したという。

DNAの二重螺旋やRNAは特定の塩基を組み合わせた塩基対でできているが、新型コロナウイルスの塩基対は数が少なく3万しかない。人間では30億近くある。

塩基対が少ないため、塩基対で起こる変化は容易に追跡でき、新型コロナウイルスの株の系統樹が作成できるという。

これで、どの株が親であり、どれが子や孫であるのかが一目で分かる。

これは、世界のあらゆる地域の研究者が6つの大陸にわたる36の国の感染者から採取した新型コロナウイルスの塩基対の分析に基づいて作成された。

すると、新型コロナウイルスには異なった8つの変異型があることが分かった。

研究者は協力して「ネクストストレイン(NextStrain)」というサイトを立ち上げた。ここは新型コロナウイルスにみならず、「SARS」など最近蔓延した代表的なウイルスの変異型も表示している。

メニューで「Covid-19」を選ぶと、いま発見されている株の系統樹を見ることができる。下がそのアドレスだ。ぜひ見てほしい。「Play」のボタンを押すと、ウイルスの拡大と進化の状況がアニメーションで見ることができる。
https://nextstrain.org/ncov?animate=2019-12-05,2020-03-29,0,0,30000

なにが分かったのか?

この記事によると、この8種類のタイプが新型コロナウイルスのすべての変異を示しているわけではないとしている。

研究者らによれば、おそらく調査しきれていない膨大な種類の新たな株があるだろうから、今回明らかになった8種類の変異は、氷山の一角かもしれないという。

それでも今回の包括的な調査で明らかになったことは多い。以下である。

1)新型コロナウイルスは比較的に進化が遅い

インフルエンザウイルスなどと比べると、新型コロナウイルスは比較的に進化の速度が遅い。おそらくその理由は、新型コロナウイルスの感染力は強く、容易に人に感染できてしまう。またこれを撃退できるワクチンや特効薬もない。そうした状況では、進化を促す圧力は弱いので、進化のスピードも遅くなる。

2)変種の間の毒性はほとんど変わらない

それぞれの新型コロナウイルスの変異型の間の変化はさほど大きくない。比較的に小さな変化しかない。そのため、それぞれの変異した種類の間で毒性が大きく異なるとは考えにくい。

他方、アジア、ヨーロッパ、北米などの国々で致死率に大きな違いが見られ、新型コロナウイルスの毒性が地域によって大きく異なっているように見える。だがこれは、PCR検査の件数が地域によって異なっているため、感染者数に違いがあるためだ。検査件数が少なく、実際の感染者数が多い国では致死率は高く現れ、検査件数の多い国では致死率は低目に出る。ウイルスの変異型間の毒性の違いが原因ではない。

3)新型コロナウイルスは研究所由来ではない

今回の新型コロナウイルスが研究所で人工的に作られたものであるとする意見が多いが、それを示す証拠はほとんどない。今回明らかになった系統樹を見ると、すべての新型コロナウイルスの親となる株は、武漢のコウモリ由来のものだった。

もし新型コロナウイルスが研究所で人工的に作られた兵器のようなものであれば、最初の感染はコウモリのような動物ではなく、人間から始まっていてしかるべきだ。

Next: 東アジアのウイルスと北米、ヨーロッパのそれとは異なったタイプ――

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