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コロナ騒動で報道されぬ重要法案。異例の公務員法・検察庁法改正と高齢者フリーランス化=原彰宏

三権分立も危うい

検察権は「捜査から刑罰まで」と幅広く及ぶため、行政権の一部とされています。ただ、同時に司法と密接に関係することから、「準司法官」とも呼ばれ、独立性や中立性が求められます。

検察庁法という法律は、今の憲法ができた昭和22年に作られました。

組織や権限に加えて、司法の独立のもと裁判官に準じる身分の保障や待遇を定めています。専門家によれば、定年もこうした考えから設けられたとされます。

つまり検察庁法には憲法の「司法の独立を守る」という役割もあったのです。

あの田中角栄元総理も、検察人事には口を出しませんでした。

1950年6月の第3次吉田第1次改造内閣で、法務総裁(現法相)となった大橋武夫氏は1951年、最高検次長検事の木内曽益(つねのり)を札幌高検検事長に左遷し、広島高検検事長の岸本義広氏を次長検事に就けようとして、検事総長の佐藤藤佐(とうすけ)氏らと衝突しました。

いわゆる「木内騒動」と呼ばれるもので、安倍政権が検察官では前例のない定年延長を黒川弘務東京高検検事長に適用したことを巡る「黒川騒動」は、70年近く前の木内騒動と同様、政治による検察人事への露骨な介入と言えるでしょう。

国家公務員と検察諜報をセットに国会に提出、「束ね法案」にして、国家公務員と抱き合わせて、検察官の定年延長を可能にする改正を、もぐりこませているのです。

原案では、検察庁法改正案の段階では、定年延長のことは書かれていませんでした。

これが新型コロナウイルス感染の話に、報道されずに埋もれているのです。

高齢者フリーランス化計画?

「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案(高齢者雇用安定法案)」が閣議決定され、今国会で審議されます。

この法律は、事業主に対し、新たに65歳から70歳までの雇用もしくは就業の確保を図る努力義務を課すものとなっています。

高齢になっても働く意欲のある人たちのために雇用機会を提供するというのが、法改正の主旨となっています。

これだけだと、何の問題もない納得できる法案なのでしょうが、よく読みとくと、その「本音」は、違うところにあるようなのです。

全労連常任幹事で雇用・労働法制局長の伊藤圭一氏は、「この法案は、労働者のニーズに寄り添うように見せかけて、実はそういうものではない」とし、安い労働力を必要に応じて使いたい事業主のニーズに応え、かつ、政府が進めたい年金制度の改悪を補完するための制度づくりに思えてならないと指摘しています。

その考えの背景として、高齢者雇用安定法案が、「個々の高年齢者のニーズや状況に応じた活躍の場の整備を通じ、年齢にかかわりなく活躍し続けることができる社会の実現を図る」としておきながら、同じ文章に「対象者の限定を可能とする」と書かれている点を挙げています。

この問題は、雇用形態にあります。

Next: 事業主が高齢者を雇用する際には「雇用もしくは就業」としています。これは――

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