コロナ自粛の終わりを待ち望む声が聞かれますが、自粛が終われば危機が収束するわけではなく、“経済再建”という長く険しい道のりが待っています。制限が解除される頃から、実態が露わになってくるでしょう。(俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編)
※本記事は有料メルマガ『俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』2020年4月21日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:俣野成敏(またの なるとし)
ビジネス書著者、投資家、ビジネスオーナー。30歳の時に遭遇したリストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。年商14億円の企業に育てる。33歳で東証一部上場グループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらには40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任する。2012年の独立後は、フランチャイズ2業態6店舗のビジネスオーナーや投資家として活動。投資にはマネーリテラシーの向上が不可欠と感じ、現在はその啓蒙活動にも尽力している。自著『プロフェッショナルサラリーマン』が12万部、共著『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』のシリーズが13万部を超えるベストセラーとなる。近著では、『トップ1%の人だけが知っている』(日本経済新聞出版社)のシリーズが11万部に。著作累計は46万部。ビジネス誌の掲載実績多数。『MONEY VOICE』等のオンラインメディアにも数多く寄稿。『まぐまぐ大賞(MONEY VOICE賞)』を4年連続で受賞している。
今、私たちにできることとは何なのか?
今、世界中が、新型コロナウイルス問題で大きく揺れています。「いつ、元通りの生活ができるのか?」「このままでは、自分の仕事がなくなってしまうのではないか?」と不安に思っている方も多いのではないでしょうか。
本日は、独立系FP(ファイナンシャルプランナー)にしてFAN GLOBAL SOLUTION PTE. LTD.の専属コンサルタントを務める梅原将志さんのお話をもとに執筆しました。
(1)“ウィズコロナ”によって、これまでの常識が覆される
現在、新型肺炎問題によって、ビジネスではほとんどの業界が打撃を受けています。公共機関を含めて、影響はあらゆる方面に及んでいます。
「金融の専門家の間では、コロナ・ショックが収束するまでに最低でも1年、それが持ち直すまで、少なくとも2年はかかるという見方が多い」という梅原さん。
梅原:「制限が解除されれば、人々は『やっと自粛が終わった』というので、開放感を感じる人も多いと思います。けれど、ウィルスを完全に封じ込められたわけではありません。人が動き出せば、またぶり返す可能性が高くなります」。
実際、一度流行が下火になった北海道では、再び感染者数が増加しています。過去のパンデミックでも、何度か感染者が増えたり減ったりする現象が見られました。
※参考:忘れられたパンデミック(上)出征軍から世界拡散 100年前死者最大1億人 – 日本経済新聞(2020年4月15日配信)
梅原:「おそらく、世界経済はV字回復とはならないでしょう。現在、金融業界で多勢を占めているのは、『経済の低迷期が長く続いた後にようやく回復する“底が長いU字型”か、もしくは“L字型曲線を描く”ことになるのではないか』という見方です。
L字型は回復とは言えませんが、最悪、L字型から、さらにもう一段下がるダブルL字型曲線になることも考えられます。または『直近で見れば、L字型に見えたけれども、時間軸をものすごく長く取ったら、底の状態が長期間に渡って続く超ロングU字型だった』となる可能性もあります」。
仮に、気候などが功を奏して、運良くウイルスの封じ込めに成功したとしても、経済への影響は甚大なものになるでしょう。特に、日銭商売と言われる飲食業、各種サービス業、中小の小売店などは、経営が厳しくなることが予想されます。
もともと商売とは、どこかのキャッシュフローが滞ると、支払いができなくなって、それが取引先に波及していきます。
そのキャッシュフローの出どころとは、“顧客”です。経営者は、顧客からいただいた代金の一部を支払いに充て、従業員に給料を支払い、残ったお金で次の仕入れをします。しかし営業を止めてしまったら、キャッシュ自体が入ってこなくなります。
従業員の雇用に関しては、雇用維持のために、国が雇用調整助成金を用意しています。しかし、それが出るまでには、どうしてもタイムラグが発生するため、それまで持たない中小企業がたくさん出てくるでしょう。
確かに、営業を止めれば、仕入れをしなくてよくなり、従業員も休ませたり、助成金を活用することで、ある程度はなんとかなるかもしれません。けれど、どうしても支払わなければならないものもあります。たとえば家賃です。
家賃は、店の営業とは関係なく、支払わなければならないものです。しかも、商売に有利な立地であるほど、家賃も高いという構図になっています。
だったら、「賃貸業は安泰なのか?」というと、そうとも言えません。テナント側は営業できない以上、キャッシュフローを絞らざるを得ませんから、場合によってはお店をたたんだり、もっと賃料の安いところに移ることも考えなくてはなりません。家主にとっては、借主が出て行けば、収入の減少を意味します。しかもこのような時期に出て行かれては、次の借主がいつ現れるのかわかりません。
不可逆的な世界経済の「変化」
他にも、家主にはテレワークという“逆風”があります。これまでは二の足を踏んでいた企業の多くが、コロナショックによって、半ば強制的にテレワークを導入せざるを得ない状況に追い込まれています。
その一方、「やってみると、テレワークも意外にできるな」という職種も出てきており、コロナ問題が収束した後も、元には戻らないところも出てきます。そうなれば、当然「オフィスなんかいらないよ」とか「半分返そう」といったことになるでしょう。
さらに、これまで「通勤に便利だから」という理由で、都心の高いマンションに住んでいた人たちも「テレワークができるなら、こんな高い場所に住んでいる必要ないよね」と郊外や地方に移っていきます。今後は、都心のオフィス、賃貸マンション、住宅などが、一時的にも値下がりすることが考えられます。
梅原:「振り返ってみると、2000年代に入ってからだけでも、相次ぐ震災、リーマン・ショックや欧州経済危機、テロとの戦いや紛争などが起きてきました。とはいえ、これらはどれも、基本的には局地的なものでした。たいていは、当事者でない国が手を差し伸べることで、早期収束を図ってきました。しかし今回の被害は、全世界に及んでいます。無傷な国などありません。リスク分散をしようにも、どこにも逃げ場がない事態が今、起きています。
自粛が終われば、危機が収束するわけではなく、“経済再建”という長く険しい道のりが待っています。制限が解除される頃から、実態が露わになってくるでしょう。
金融市場は当然、今はリスクオフの動きになっています。しかしそれとは別に、業界内で気になる動きがあります。それは普段、見られる『リスク回避のために、安全資産である金や外貨を購入する』といった動きを飛び越えて、いきなり現金化する動きが出始めている、ということです。それだけ今回は予測ができない未曾有の事態、ということなのだと思います」。
【結 論】
「自粛の終わりは、危機の始まりに過ぎない」
(2)コロナ・ショックが私たちの生活に与える影響〜今後は、倒産と失業が激増する
(3)今、私たちにできることとは何なのか?〜危険を避ける方法とは、足元を固めること
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『俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』(2020年4月21日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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