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時間切れでコロナ連鎖倒産へ。政府の無計画自粛要請で企業の手元資金が底をついた=斎藤満

弱者対策に国別格差

国内の弱者対策についても、国によって対応のスピード、規模に格差が見られます。

米国では早々にトランプ政権が、大人1人当たり最大1,200ドル、世帯では最大6,000ドルの小切手を送付しました。それでも、3月中に失業保険を受給できた人は29%にとどまったとの調査もあり、またフリーランスなどは失業保険の申請もできないケースがあると言います。このため、野党は追加支援策として3兆ドル(320兆円)規模のものを提出しました。

また英国は失業者に対して給料の7割の補助をしていますが、その補助期間を10月末まで延長しようとしています。その場合、財政負担も大きくなるので、一部を企業に負担させる方向で検討しています。

これらに対して、日本の対応はいかにも遅く、先に117兆円規模の経済対策を提示し、補正予算を通したのですが、いまだに給付金は届かず、休業に協力したところへの協力金の支給も6月以降になると見られています。

雇用調整助成金の申請に対して実施されたケースは0.1%に過ぎず、対策の多くが絵に描いた餅の状態になっています。

アルバイトできなくなり、学費を払えない学生が大学を辞めるケースも出てきています。この場合は、資金面での弱者とともに、情報面での弱者も犠牲になりやすいと言います。大学にもよりますが、公的機関も含めて、多くの育英資金制度、救済制度があるものの、それらが認知されず、利用されないまま、学生が資金不足のために大学を去るケースが少なくないと言います。

弱者支援には、金銭的な支援を急ぐとともに、救済の道につながる情報の格差もなくさねばなりません。気の利く人だけが救われる社会は不公平、不公正であり、平等に広く情報が行き渡るような努力が必要です。

企業にはもう時間がない

企業は今や時間との勝負となっています。

財務省の「法人企業統計」によると、資本金1,000万円以上の企業については、現金預金など、手元流動性が平均で月商の1.88か月分しかありません。

かつてはこれでも十分すぎる額でしたが、政府や自治体からの休業要請で、ほぼ強制的に業務が停止してしまうと、この月商に対する2か月弱の流動性では限度があります。

飲食店、ライブハウスなどはすでに3月から自主的に休業しているところも多く、彼らの手元流動性はもう枯渇しつつあります。

政府日銀はつなぎ資金の後押しをするとしていますが、政府系金融機関の窓口は少なく、対応しきれずに長期間待たされるところが多いと言い、民間金融機関に行けば、無利子でリスクだけ負わされる融資には慎重にならざるを得ません。

企業金融支援も現実には進んでいません。

Next: 企業にしてみれば、いつ資金が用意されるのか、いつ協力金がもらえるのか――

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