移動分野の覇権を目指しているソフトバンク
ソフトバンクとトヨタの本当の目的は、そんな「不便の解消」のもっと先にあります。
そもそも、MaaS(Mobility as a Service:サービスとしてのモビリティ)とは、「ICT(情報通信技術)を活用して、マイカー以外の移動をシームレスにつなぐ」という概念です。
モビリティにおいて、現在は電車・バス・タクシーはそれぞれの交通サービスで経路検索や支払いを行っています。それをモビリティプラットフォーマーが登場することで、1つのアプリで経路検索から支払いを一元化できるのです。
では、なぜこのMaaSが普通に使われる世界が必要なのでしょうか?
トヨタ自動車とソフトバンクグループの共同出資会社であるMONETは、地域社会が抱える大きく3つの課題を解決していくことを目指しています。課題は以下です。
1:公共交通機関が離れていて、住民の移動が困難な「交通空白地」
2:バス停が遠く不便、免許返納後の移動に困っている「高齢化地域」
3:公共交通機関からのアクセスが悪く、来訪者数が増えない「点在する観光地」「遠隔地店舗や病院」
当然、これらは日本だけでの問題ではなく、中国、その他の先進国でも起きている問題です。モビリティサービスの覇権を握ることができれば、移動の効率化は一気に進むことが期待できるといえるでしょう。
ソフトバンクは将来成長するベンチャー企業に投資し、決済を押さえ、移動を含めたあらゆる領域のプラットフォーマーになりたいことがおわかりいただけたのではないでしょうか。
ソフトバンクという土台の上に私たちの生活は成り立っている……もしかしたら、それを実感する社会がまもなく訪れるかもしれません。
本記事は『MAG2NEWS』のための書き下ろしです(2020年6月16日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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