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消費増税の行方とその影響~過去の増税タイミングで何が起きていたか=久保田博幸

安倍内閣での5%から8%への引き上げ

そして、2014年4月1日に安倍内閣時に消費税は5%から8%に引き上げられた。このタイミングで何が起きたのか。いわゆるアベノミクス相場は継続中であったが、いったんピークアウト感も出ていた。ただし、最もピークアウト感が強かったのが消費者物価指数であり、このため同年10月に日銀は異次元緩和第二弾を決定した。

そして2014年11月18日に安倍首相は2015年10月に予定していた消費税率10%への引き上げを2017年4月まで1年半延期し衆院解散・総選挙に踏み切る考えを表明した。

米国株式市場の上昇も追い風となって日経平均は2015年4月に2万円台を回復し、ドル円は2015年6月に125円台をつけたが、ここで完全にピークアウトすることになる。そして、金利については2016年1月に日銀がマイナス金利付き量的・質的緩和策を決定したこともあり、10年債利回りもマイナスとなった。

個人消費がこの間、落ち込んでいるため、リーマン級の事態が発生しているとの見方もあるようだが、個人消費の落ち込みをすべて消費増税の影響とするのはかなり無理もあるまいか。

国債の利回りについては消費増税の有無よりも、日銀の金融政策などに影響を受けやすい。これは海外格付け会社の日本国債への格下げの際にも言えることではあるが、財政規律等が意識されて日本国債が動揺することは過去にあまりない。それだけまだ国債への信認は厚いとの見方もできようが、その信認は今後も維持されるから何を行っても大丈夫であるとの保障はない。

信認は積み上げて維持する事は大変な労力が必要であるが、崩れるときはあっけない。これは近年のギリシャなどが良い事例となろう。

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牛さん熊さんの本日の債券』2016年4月11日号より
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