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仕事待ち「ウーバー地蔵」は最悪の前兆。失業即ホームレスの時代が到来する=今市太郎

待機して動かない「ウーバー地蔵」が増加

少しでも効率的に稼ぐために、繁華街や大きな駅周辺で待機したり、平日より土日に積極的に働く、お昼の時間帯と夜の夕食時間帯を狙って稼ぐ、人気の飲食店のそばで待機する、天気の悪い日に稼働する……など、働く人たちはそれぞれに知恵を絞って努力されているようです。

しかし、それでも発注総数が減少傾向にあって配達者が増加してしまうと、タクシーの運転手の無線の取り合いと同じようなことになり、決して売上にはつながらないという厳しい状況にも直面しはじめています。

最近では主要駅などの周辺にUberEatsのリュックを背負った若者がゴロゴロたむろして、「ウーバー地蔵」などと呼ばれるようになっている様子。それぐらい、稼働しない時間が多くなっている状況です。

一般のアルバイトと違うのは、時間の拘束に対する対価が何もないこと。あくまで配達を行ってはじめて報酬が得られるわけですから、依頼件数と配達人の需給バランスが崩れれば、みな収入が減るという非常に厳しいことに陥りかねず、日によって稼ぎはかなり上下にブレるようになっているようです。

なぜ、そんなビジネスにこぞって参入しようとする人が多いのか?それにはやはり、それ相応の訳があるようです。

学歴・経験不問の仕事は「配達」しかないという現実

今年のコロナ禍では飲食店・物販・キャバクラ・クラブ・ホストクラブなどなど、同じ業界が横並びで閉店や営業不能に陥ることとなりました。

本来ならこうした業界に勤めていれば、同業界の他の店に転職することで事なきを得ていた人たちがほとんど、というのが実情でした。

しかし、過去の経験を活かせる業界がコロナ禍で軒並み閉店や事業縮小に追い込まれた結果、仕事にあぶれた人たちを収容することができるほかの業種がまったく見つからないままに、年末を迎えている状況です。

4月・5月に比べればこうした業界も完全封鎖からは免れていますが、雇用の回復にはつながっておらず、さらにそれを政府も地方自治体もまったく意に介さず、コロナ感染が拡大すれば平気で微々たる給付金を出しては営業の自粛や時間短縮を求めてきているわけです。

口減らしにあった人たちがとにかくなんとか働ける場所として見つけ始めているのが、こうしたデリバリーの業務委託ビジネスとなっているというわけです。

もともとこうしたビジネスをやっていた人間は存在はしていたものの、ある程度は限られていたはず。履歴書を出すこともなく、身分証明や利用するバイクや車のナンバープレート、保険等を提示して登録さえすれば、だれでも学歴・経験不問で働くことができるのは相当ハードルの低い仕事になっていることがわかります。

Next: 時間給の仕事は「高嶺の花」、配達員過多でもUberEatsは困らない

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