なぜ「ミセス・ワタナベ」は損切り(ストップロス)を置かないのか?=今市太郎

CFTCの建玉報告によると、久々にドル円ロングが主流となってきた中、日本の個人投資家だけがショートを溜め込み苦しんでいる状況が延々と続いていることがわかります。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2016年12月20日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。本日12月22日配信の最新号(中国政策でリスク満載のトランプ政権について解説)もすぐ読めます。

ドル円の上昇を“助けてしまった”本邦個人投資家の戻り売り

2016年後半を象徴するミセス・ワタナベ

いよいよクリスマス前の休暇に突入し、さすがに大きく動かなくなってしまった為替相場なので、今回は今年を振り返った話をしてみたいと思います。

今年後半、ドル円の取引でもっとも印象的だったのがミセス・ワタナベ、つまり本邦個人投資家の戻り売りでした。

もともと本邦勢の個人投資家は状態的に逆張りが好きな存在として市場でもよく知られていますが、今年は年初の121円レベルから99円割れまで実に22円近く動いてしまったわけですから、戻るとしてもさすがに半値戻しまですればかなりいいレベルと思った個人投資家が多かったのか、この11月の猛烈な上昇でも108円を超えたあたりから個人投資家の大量な戻り売りが発生しはじめており、実は118円台までつけた足元の状況でも、まだほとんどしこったまま解消していないのがどうやら現実の状況のようです。

ストップロスを置かないから切れないショート

こうした個人投資家の値ごろ感からのショートは、108円から118円台まで依然としてストップロスをほとんど入れないことから、資金力のある個人投資家であればあるほど、塩漬けのままの状態で年末を迎えようとしているようです。

その額の正確なところはよく判らないのですが、その一部は証拠金が枯渇して国内業者が設定した強制ロスカットに巻き込まれて切れることはあるようですが、資金力のある投資家の場合には延々と持ち続けて我慢をしている状態のようで、もちろんナンピンもかけているのでしょうから、最初に売ったコストより高いところで損失を消すことができるのでしょうが、これが残っている限りはドル円相場は簡単には下がらない状況が続くことが容易に想像できる状態です。

投機筋はショートから既にロングへ変換済みの模様

CFTCが発表した13日時点の建玉報告によると、CMEの通貨先物市場で投機筋のドル円のロングは6万3429枚と前回の3万3937枚から2万9492枚増加しており、久々にドル円ロングが主流となってきている状況ですが、日本の個人投資家だけがショートを溜め込んで苦しんでいる状況が延々と続いていることがわかります。

買い遅れの実需と個人投資家の買い指値で下がらないドル円

ドル円が大きく下がらないのは、実需の輸入勢の買い遅れがかなり下のほうげ待ち構えているからのようで、そのレートも徐々に切りあがる状況になってきています。

また、ようやく買いで参入する決心のついた個人投資家も下落すれば買いを入れてくるようになっていますので、前述の戻り売り勢の解き売りも含めると、ここからのドル円はよほど相場を大きく動かす何かがないと、このまま大して下げないまま再度上昇を繰り返すことになりそうです。

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